Wind River Linux | Basic | Yocto Projectとは?



Yocto Projectとは

組込みシステムには、小フットプリント、制約のある環境下での高いパフォーマンス、信頼性、長期間のサポート、制限されたリソースへの対応が求められます。Yocto Projectは、これらのエッジ特有の課題を検討し、組込みLinuxプラットフォームの標準化を目指して生まれたLinux Foundation傘下のオープンソースプロジェクトです。柔軟なツールセットと開発環境を提供しており、世界中の組込み機器開発者がカスタムメイドのLinuxイメージを作成する際に使用する技術、ソフトウェアスタック、構成、ベストプラクティスを共有し、高い相互運用性を達成しています。ハードウェアベンダーやソフトウェアベンダーのエコシステムも統合されていることから、インテリジェントエッジなどの最新テクノロジーに対するサポートや専門知識も入手可能です。Yocto Projectは誰もが無償で利用可能な、標準の組込みLinuxビルドシステムを提供します。


組込みLinux向けのオープンソースプロジェクト

Yocto Projectは、2010年にLinux Foundation傘下のワークグループとして誕生し、10年以上活動を続けています。現在ではLinux Foundation傘下のオープンソースプロジェクトにおける代表的なコミュニティのひとつとなっており、毎年数多くの成功事例が生まれています。


Yocto Projectへ参画している主な企業

ウインドリバーをはじめとする組込み業界のリーダー十数社によって創設されたYocto Projectは現在、AWS、Intel、Meta、Microsoft、ウインドリバーなど30社以上の企業が参画する巨大なコミュニティへと成長しました。コントリビュータは2,500人を超え、2022年には170,000回以上のコードコミットが実施されています(11,600,000行以上)。

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Yocto Projectへコミットしている上位10団体(The Linux Foundation より)



ウインドリバーによるオープンソースコミュニティへの貢献

ウインドリバーは、Yocto Projectの創設メンバーおよびプラチナメンバーであり、トップコントリビューターとして活動し、Yocto Projectコンポーネントのメンテナンスに絶え間なく貢献しています。

Linux Foundation傘下には他にも様々なワークグループがあり、複数のワークグループが連携してオープンソースのソリューションが誕生します。そしてオープンソースのソリューションごとにその分野に応じた要件が定義されます。ウインドリバーはLinuxディストリビューションの作成フレームワークを提供するYocto Project以外にも、OSに依存しないエッジコンピューティングのフレームワークを定義するLF Edgeの創設メンバーとして、オープンソースの活動へ日々貢献しています。現在、ウインドリバーはLF Energyグループのメンバーとしても活動し、次世代型デジタル変電所オートメーションシステムの要件定義にも参画しています。


Yocto Projectを利用するメリット

Yocto Projectには数多くのメリットがあります。

  • 組込みLinux開発環境における実質的なデファクトスタンダード
  • 簡単に入手できる組込みLinuxディストリビューションの作成のためのビルドシステム
  • スムーズな開発の立ち上げに貢献
  • 最終製品に最適なLinuxディストリビューションを作成可能
  • 段階的なLinuxディストリビューションの開発に対応
  • 一度作成したLinuxディストリビューションの部分的な変更が可能
  • 繰り返し作業のコストを大きく低減
  • 統合されたノウハウ:プロジェクトへ参画している企業の知見、オープンソースコミュニティの開発ノウハウ
  • 他のオープンソースプロジェクトとの連携できる効率的な開発プラットフォーム(OpenEmbeddedやEclipseなど)


Yocto Projectを構成するPokyとOpenEmbeddedとは

Yocto ProjectにはPokyとOpenEmbeddedというオープンソースプロジェクトが統合されています。

Pokyは、ビルドされたLinuxディストリビューションであり、リファレンスデザインとして利用することができます。OpenEmbeddedは、クロスコンパイル環境により、レシピとパッケージを様々なハードウェアアーキテクチャに対応させ、Linuxディストリビューションをビルドすることができるソフトウェアフレームワークです。PokyとOpenEmbeddedを活用することにより、簡単にYocto Projectの機能や特徴を、目的の組込みボード上で検証することができます。さらに、Pokyを自社独自のLinuxディストリビューションを作成する際のテンプレートとして利用することにより、開発をスムーズに立ち上げることが可能です。

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Yocto Projectと各組込みLinuxディストリビューションの違い

Yocto Project
vs. Ubuntu Core

Yocto ProjectはLinuxディストリビューションではなく、Linuxディストリビューションを作成するためのフレームワークです。Linuxディストリビューションをカスタマイズすることができます。一方、Ubuntu Coreはバイナリ形式で提供される固定的な組込みLinuxディストリビューションです。

Yocto Project
vs. Buildroot

Buildrootは手軽に使うことのできる小型でシンプルなビルドツールであり、レガシーな組込みシステムに適したコンパクトなルートファイルシステムを作成することができます。一方、Yocto Projectは複雑なビルドシステムを備えることから、Linuxディストリビューションの作成にやや時間がかかり、作成されるルートファイルシステムもBuildrootと比べるとやや大きなサイズとなる傾向にありますが、Yocto Projectを利用することにより、簡単なソフトウェアレイヤーのカスタマイズや、モダンで高度な組込みシステムの構築が可能となります。

Yocto Project
vs. Debian

Debianはソースとバイナリの双方が提供されている、サーバやワークステーションなどのエンタープライズ向けに生まれたLinuxディストリビューションです。一方、Yocto Projectは組込みシステムに特化して対応できるよう設計されたLinuxディストリビューションを作成するフレームワークです。



Wind River Linuxを採用するメリット

Wind River Linuxは、 商用組込みLinuxマーケットシェアNo.1!※の業界最先端の組込みLinux開発プラットフォームです。Wind River Linuxを使うことにより、お客様は最終製品によるイノベーションの実現に注力ができるため、市場投入までの期間を短縮することが可能です。 さらに、Roll-Your-Own Linuxで課題となるリスクや運用コストを大幅に低減できるため、総所有コスト(TCO)の削減も期待できます。以下のような様々なメリットで、信頼性の高いインテリジェントエッジデバイスの開発を支援しています。

  • 15年の長期サポート(標準5年間)により、お客様の製品ライフサイクルを支援
  • 継続的な脆弱性(CVE)への対応
  • 最新のクラウドネイティブアーキテクチャに対応し、開発とデプロイメントにかかる時間を短縮
    • 事前に構築されたコンテナ技術を統合できる
    • DockerやKubernetesをサポート
  • マーケットグレードLinux
    • 航空宇宙・防衛システム、産業機器、医療機器、自動車、通信など、品質への妥協が許されない分野にも対応可能
  • インテリジェントエッジデバイスを開発する上で必要となる開発環境やツールを提供
    • Yocto Projectと互換性のあるツール
    • Wind River Workbench開発スイート(オプション)
  • コンプライアンスや輸出手続きに必要なリソースを提供


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※出典:VDC Research: The Global Market for IoT & Embedded Operating Systems (2023)



ウインドリバーのLinux開発プラクティス

ISO9001:品質マネジメントシステムの厳密なエンジニアリングプロセスに準拠

Wind River Linuxは、ISO 9001:2015品質マネジメントシステム規格認証を取得しています。 厳密なエンジニアリングプロセスを順守しており、定期的に品質監査を行っています。(認証対象:Wind River Linuxにパッケージ化されるオープンソーステクノロジーの設計、開発、インテグレーション、検証、規格認証、メンテナンス)

OpenChainに適合

ウインドリバーはオープンソース・コンプライアンスの遵守に必要な要件を共通化するOpenChainにより認証を取得している唯一の組込みLinuxのリーダーです。OpenChainはLinuxディストリビューションに統合されているオープンソースパッケージすべてに対して、パッケージの定めるライセンスを適切に管理できるライセンスコンプライアンスプログラムの要件を定義するプロジェクトです。OpenChainにより、組込みシステムに搭載したLinuxディストリビューションを構成するすべてのコンポーネントに対してサプライチェーンの整合性を証明することができます。これはオープンソースソフトウェアを利用する際に重要となる監査項目です。



プロフェッショナルサービス

ウインドリバーはプロフェッショナルサービスとして、組込みLinuxを活用したシステム開発の課題に対して、組込みシステムのエキスパートが開発を支援するサービスを提供しています。是非お客様の開発プロジェクトにご活用ください。ウインドリバーのプロフェショナルサービスは、ソフトウェア開発プロセスの能力成熟度を評価する国際的な指標であるCMMI® InstituteのCapability Maturity Model Integration(CMMI)®レベル 3認定を取得しています。

受託開発

お客様のプロジェクトのニーズに応じた開発サービスを提供します。ウインドリバーは、航空宇宙・防衛、産業機器、医療機器、自動車、通信など、幅広い業界で多くの受託開発の実績があります。

エンジニアリングサービス

ウインドリバーの組込みシステムのエキスパートをアサインし、オンサイトまたはオフサイトでお客様の開発プロジェクトを支援します。

コンサルティングサービス

Wind River Linuxのコンサルティングサービスは、お客様の開発プロジェクトのプランニングを支援し、それを実現します。

  • 開発プロセスの見直し
  • 組込みLinuxのアーキテクチャと設計
  • Yoctoプロジェクト互換のBSPの作成、ミドルウェアとカーネル開発
  • 自社開発Linuxやハードウェアベンダー提供LinuxからYoctoプロジェクト互換のディストリビューションへの移行
  • オープンソースとウインドリバーのハイパーバイザーベースの仮想化を使用した組込みマルチコアLinuxデザインへの移行
  • ベンチマーク、機能、パフォーマンステストと文書化
  • 障害解析



組込みシステムのエキスパートが製品ライフサイクル全体を支援

Wind River Linuxはテクニカルサポートおよびメンテナンスとアップデートをお客様の製品ライフサイクル全体にわたり提供いたします。

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プレミアムサポート

納期の厳しい重要なプロジェクトには、お客様独自の環境、アプリケーション、ハードウェアを把握している専門のサポートチームが必要です。ウインドリバーのテクノロジーに精通した経験豊富なシニアエンジニアが、お客様の環境を把握して最高水準のサポートを提供し、お客様の開発プロジェクトで発生する技術的な課題を解決します。


フローズンブランチメンテナンス(FBM)サービス

フローズンブランチメンテナンスサービスは、製品のライフサイクルを通して、顧客別特定バージョンの構成管理、セキュリティ問題の監視、メンテナンスを提供します。パッチなどの特定ブランチへの変更はお客様で選択頂けるので、コストも最適化できます。サービスには以下のものが含まれます。

  • 不具合の修正パッチの提供
  • セキュリティ脆弱性の対応パッチの提供
  • セキュリティ脆弱性のプロアクティブな監視や通知
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カスタムコンテンツマネジメント(CCM)サービス

カスタムコンテンツマネジメントサービスは、お客様のプラットフォームでWind River Linuxに追加されたソフトウェア・パッケージの構成管理、セキュリティ問題の監視、メンテナンスを提供します。サービスには以下のものが含まれます。

  • 不具合の修正パッチ
  • セキュリティ脆弱性の対応パッチ
  • セキュリティ脆弱性のプロアクティブな監視や通知

カスタムソフトウェアを含め、不具合の修正やセキュリティ脆弱性の対応パッチを統合した CCM Layerのリリースも可能です。組込みシステムのライフサイクル全体において、お客様は自社の製品を安心して運用することができます。


ロングタームサポート&メンテナンス
  • ロングタームサポート:お客様の製品ライフサイクルが長い場合でも安心してご利用いただけるよう、標準サポート期間以降も特別に長期間サポートを行う、長期サポートサービスです。
  • ロングタームメンテナンス:CriticalおよびSeverに該当する不具合の修正パッチを提供します。
  • ロングタームセキュリティシールド:HighおよびMediumのセキュリティ脆弱性の対応パッチを提供します。また、セキュリティ脆弱性のプロアクティブな監視や通知をおこないます。

End Of Life製品のサポート&メンテナンス
  • End of Lifeサポート:End of Life製品のテクニカルサポートを提供します。
  • End of Lifeメンテナンス:End of Life製品に対し、ご要望に応じた不具合の修復パッチをご提供します。ご指定の製品バージョンに対する修復パッチを当社にてリリースし、検証します。長期のサポートを期待されるお客様も増えており、都度調整させていただいておりますのでどうかご相談ください。


Wind River Linuxの採用事例

Wind River Studio

東芝グローバルコマースソリューションズ社

インダストリアル分野を得意とする東芝グローバルコマースソリューションズ社はPOSシステムや統合デジタルコンシューマプラットフォームにWind River Linuxを採用しています。また、Wind River Linuxのプロフェッショナルサービスも活用しています。POSシステムには、強力なセキュリティ機能と拡張性の高いグラフィック機能が求められますが、Wind River Linuxを採用することにより、これらの要件を達成しました。機能の追加やサービスの追加のフレキシビリティが改善したことにより、顧客満足度の向上も実現しています。

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VxWorks

テルコ・システムズ社

キャリアネットワーク分野で活躍しているテルコ・システムズ社は、Wind River Linuxをキャリアグレードイーサネットアクセスソリューションに採用しました。社内のソフトウェア資産を維持しつつ、自社OSからオープンソースのLinuxへのマイグレーションに挑戦した同社は、Wind River Linuxを活用することにより、製品の開発期間を30%~40%削減することに成功し、スケーラブルな新機能の追加や、サービスの拡張性の向上を達成しました。

» 詳細はこちら
Wind River Linux

シュナイダーエレクトリック社

インダストリアル(FA)向けのオートメーション機器を開発するシュナイダーエレクトリック社は、様々なCPUアーキテクチャの製品にWind River LinuxとVxWorksを採用しています。IoTに向けた拡張性と、フレキシブル性の高いプラットフォーム開発を目指す同社は、プロフェッショナルサービスも活用し、開発コストの低減、市場投入までの時間の短縮、データを活用したIoTサービスの提供に成功しています。

» 詳細はこちら

Yocto Projectに関するQ&A

Yocto プロジェクトは、開発者が組込み機器用のカスタム Linux のベースシステムを作成するためのツール、テンプレートを含む手法を提供するオープンソースのコラボレーションプロジェクトです。
柔軟性と拡張性の向上、市場投入までの時間の短縮、制御とカスタマイズの向上、メンテナンスとアップデートの簡略化などが挙げられます。
Pokyビルドシステム(Yocto Projectのリファレンスディストリビューション)、OpenEmbeddedビルドフレームワーク、およびBitBakeビルドツールが含まれます。これらのコンポーネントが連携することで、組込み機器向けのカスタムLinuxベースのシステムを構築するための包括的なツールとリソースのセットを提供します。
いいえ、Yoctoプロジェクトはオペレーティングシステムではありません。Linuxカーネルと組込み向けパッケージをベースとしたLinux OSを構築するためのプラットフォームです。
Buildrootのアプローチは簡素化されています。少ないステップで、容易に組込みデバイスのブート可能なバイナリイメージを入手することができます。一方、Yoctoプロジェクトでは、ビルドシステムをよりカスタマイズできるため、コンフィグレーションの仕方によって、より複雑なプロジェクトを作成できます。また、CVEの検出と管理のためのSRToolなどのツールも追加で利用できます。
Yocto プロジェクトが提供する環境により、ユーザが組込みシステム用のカスタム Linux ディストリビューションを構築することができます。これに対してDebianは、出発点として参照用ディストリビューションを提供し、ユーザはそれを組込みソリューション用に調整するというアプローチをとれます。
Timesys Linuxは、Yoctoプロジェクトのオープンソースコードを活用できる、商用サポートのLinux製品です。
アペンドとはレシピを変更することであり、パッチングはレシピ内で利用可能なパッケージコードの内容を変更することです。
汎用のディストリビューションを選択し、目的のソリューションに関係のないパッケージの削除していくことによって、プロジェクトの要件に必要な機能を実現しつつ、ハードウェアリソースの制約に合うような最小限のパッケージが完成します。
最適化と簡略化のためにカスタマイズされたLinuxディストリビューションが必要です。これにより、デプロイされたソフトウェアはデバイスのハードウェアの制限を満たしながら、規制要件に準拠することができます。
ブート時間を最適化または最小化するには、ハードウェア固有の機能やFast bootのようなソフトウェアの調整から始めるなど複数の方法があります。ハードウェアアーキテクチャと、ブート時に起動しなければならないデバイスの総数は、全体のブート時間に影響を与える可能性があります。つまり、周辺機器の選択はブート時間に影響すると言えます。
ROSとは、Robot Operating Systemの略です。OSそのものではなく、ロボットのOS構築に特化したフレームワークとパッケージです。一方、Yoctoプロジェクトは、ロボットを含む一般的な組込み機器向けのツールやパッケージのレシピを集めたものです。ROSが特定のユースケースにフォーカスしているのに対して、Yoctoプロジェクトはより汎用的で、より多用途に使用されます。
Yocto プロジェクトは目的別の組込みソリューション用の Linux ディストリビューションを構築するために使われています。
Yocto プロジェクトは、BitBake ビルドシステム、ビルド済みレシピ、Poky リファレンスディストリビューションを含む一連のツールです。
「Yoctoシステム」とは、Yoctoプロジェクトのビルドシステムを指し、BitBakeとも呼ばれています。
Yocto プロジェクトは元来組込み機器開発に焦点を当て、カスタマイズされたディストリビューションを構築することを目的としています。Ubuntuは、元々サーバやワークステーション向けのエンタープライズディストリビューションで、組込みシステム用途向けには縮小調整により対応させる場合があります。
人的リソースや会費の提供を通じてプロジェクトに貢献している30以上のメンバーに加え、何千もの企業が自社のプロジェクトにYoctoプロジェクトを利用しています。
Pokyは、YoctoプロジェクトのツールとOpenEmbeddedのレシピとパッケージで構築されたリファレンスディストリビューションです。このディストリビューションは、コミュニティがYoctoプロジェクトの特徴や機能を検証するために使用されますが、独自のカスタムディストリビューションを構築するすべてのユーザーのサンプルとしても機能します。
Yocto プロジェクトは、最新の Linux カーネルやさまざまなハードウェアサポートレイヤーとともに、さまざまなパッケージをレシピとして構造化することで動作します。ユーザは、ビルド時にこれらを選択して、カスタムバイナリディストリビューションを作成することができます。
Yoctoプロジェクトは組込みLinuxではなく、組込みシステムユースケース向けのLinuxを構築することを目的としたディストリビューションビルダーです。
Yoctoプロジェクトで作成した組込みLinuxは、ビルド時にリアルタイムpreempt-RTカーネルパッチを用いてコンフィグレーションすることが可能です。
Yocto プロジェクトにより、開発者は、コンテンツを完全に制御し、最終結果をカスタマイズするための多くのオプションを持ちながら、独自のカスタムディストリビューションを一から構築することができます。
いいえ、Yoctoプロジェクトは、リアルタイムOSを構築する機能を提供していません。
Yocto プロジェクトは、 OpenEmbedded レイヤーのパッケージとレシピを活用したスタンドアロンツールのセットです。
いいえ、Yocto プロジェクトは、組込み用 Linux ディストリビューションを構築するための独立したツール群であり、Debian は汎用のディストリビューションです。
PokyはYoctoプロジェクトのリファレンスディストリビューションで、BitBakeはディストリビューションを作成する際に使用するビルドシステムです。

リソース

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RTOS Webinar - Japan

Linux開発者のための リアルタイムOS – 入門編

インテリジェントエッジ、IoT、AIなど、進化を続ける組込みシステムにおいてLinuxの採用が加速しています。それに伴い、組込みLinux開発者も増加しています。一方、長年組込みシステムに採用されてきたリアルタイムOS(RTOS)に触れたことがない組込みシステム開発者も増えてきており、組込みLinuxとリアルタイムOSの違いについて知りたいというニーズも増えてきました。
そこでRTOSを使ったことがないLinux開発者にも分かりやすくRTOSについてご紹介するオンライン講座を開催いたします。
本ウェビナーでは、RTOS初心者の方や、改めて情報を整理したい方にも実践的な内容です。

第1回:リアルタイムOSとは?

リアルタイムアーキテクチャや、RTOSの特徴、RTOS機能を解説するほか、無償の「VxWorks SDK (Software Development Kit)」をダウンロードし、Raspberry Pi 4 Model B 上でリアルタイムOSを動かしていきます。

第2回:リアルタイムOSプログラミング

第2回は「リアルタイムOSプログラミング」。タスク作成や割り込みサービスルーチン(ISR)、タスク間通信と同期について、デモを交えてご紹介します。

第3回:VxWorksのデバッグ

RTP (リアルタイムプロセス)について解説するほか、VxWorks RTPデバッグ、VxWorks DKMデバッグについて、デモを交えてご紹介します。


リアルタイムOS – 応用編

プログラミング言語であるPythonやRustを組込みソフトウェア開発で使う方法をご紹介します。リアルタイムOSをすでに活用されている方も、これから勉強する方も、ぜひご覧ください。

第1回:Pythonを組込みソフトウェア開発で使う

Pythonは、科学分野、特に機械学習や人工知能分野で幅広く活用されている人気のプログラミング言語です。VxWorksは、ニューラルネットワークを構築できるNumPyを含むPythonをサポートしています。
本講座では、組込みソフトウェア開発におけるPythonについて解説するほか、Pythonを使ってVxWorksを動かす方法や、JSONサーバを使った応用をデモを交えてご紹介します。

第2回:Rustを組込みソフトウェア開発で使う【前編】 - 入門​

本講座「Rustを組込みソフトウェア開発で使う」は、前編(入門)・後編(実践)の2部構成となっています。

前編では、組込みソフトウェア開発におけるRustの特長についてご紹介するほか、無償で利用できるアプリケーション開発用のVxWorks SDKのQEMU版を使って、VxWorks上でRustを実行する方法や、Rustのベーシックなプログラミング方法をサンプルコードを使ってご紹介しましす。

第3回:Rustを組込みソフトウェア開発で使う【後編】 - 実践

本講座「Rustを組込みソフトウェア開発で使う」は、前編(入門)・後編(実践)の2部構成となっています。

後編では、VxSDKのインストール方法とRaspberry Pi 4Bのセットアップについてご紹介するほか、Rustプログラムの同期処理、Rustプログラム でJSONを扱う、Rust ネットワークプログラミング入門をご紹介します。無償で利用できるアプリケーション開発用のVxWorks SDKを使って、VxWorks上でRustを実行する方法をサンプルコードを使ってご紹介します。


リアルタイムOS – 達人編

VxWorksを使いこなすための情報をもっと知りたいというニーズにお応えして、VxWorksを試そう!​リアルタイムOS - 達人編が登場!

第1回:VxWorksコマンドの達人になる

VxWorksコマンドを使いこなしたい方向けに、コマンドの概要と、知っていると便利な達人技をご紹介します。すでにVxWorksをご利用のユーザーの方は、Workbenchでコマンドをお試しください。 ユーザーではない方も、無償の評価版であるVxWorks SDKを使ってお試しいただけます。

第2回:VxWorksファイルの達人になる

VxWorksファイルの扱い方法と、知っていると便利な達人技をご紹介します。VxWorksファイルの扱い方が分かると応用範囲が広がりますのでぜひご覧ください。

Wind River Linuxのお問い合わせ

組込みLinuxに関するご質問やご相談、お見積依頼は、こちらのフォームからご連絡ください。
ウインドリバーの担当者からご連絡いたします。

What Is Embedded Linux? - Japan



組込みLinuxについて学習する

組込みLinuxは、一般的なLinuxシステムと同じLinuxカーネルを基盤として構築されています。Linuxカーネルに各種パッケージを統合したものをLinuxディストリビューションと呼びます。一般的なエンタープライズシステムと異なり、組込みシステムには高い信頼性、各種セキュリティ要件への対応、限られたハードウェアリソース上での動作、10年を超える技術サポートの提供といった厳しい要件が求められます。さらに、インテリジェントエッジと呼ばれる近年の組込みシステムには、デバイス間の連携、クラウド連携、クラウドネイティブ技術の統合、OTA更新テクノロジーの導入なども期待されています。このように組込みシステムのユースケースは製品ごとに異なり、高度な要件が求められていることから、それぞれの組込みシステムに最適なLinuxディストリビューションも各製品向けに最適化されたユニークなものが必要とされています。

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組込みLinuxは、各インテリジェントエッジの
ユースケースに最適化されたオープンソースのOSです

オープンソースの基礎

組込みLinuxについて解説する前に、Linuxの基本原則であるオープンソースの考え方、基礎、注意点について説明します。組込みLinuxの開発者は、オープンソースソフトウェアやツールを利用するにあたり、次に示す3つの基本原則に従う必要があります。製品開発において特に注意すべきことは、組込みLinuxに含まれるすべてのソフトウェアライセンスを確認し遵守しなければならない点です。

協力
Linuxをより良いものとするためにソースコードの共有、コードのレビュー、修正パッチの作成と適用、ドキュメントの整備、コミュニティでのディスカッション、メーリングリストの参加など、コミュニティよる開発課題の解決に協力すること
革新
イノベーティブな技術をLinuxへ取り入れ、革新を促すこと
準拠
Linuxを構成するすべてのソフトウェアライセンスを確認し遵守すること
(ライセンス汚染や規制基準違反をしてはならない)

組込みLinuxを使うメリット

それでは何故、これらの基本原則に従ってまで組込みシステムのOSにLinuxを採用するのでしょうか。それは、組込みLinuxには前述した注意点に余りあるメリットがあるためです。主なメリットとしては次のものが挙げられます。

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組込みLinuxにはエンタープライズLinuxには無い
様々なメリットがあります

  • 数多くのハードウェアがサポートされている
  • コミュニティが長期サポート(LTS)のライフサイクルを定義している
  • コミュニティにより共通脆弱性識別子(CVE)への対策とリリースが行われる
  • 広く採用されているLinuxインフラと開発ツールを簡単に入手できる
  • サポートされているすべてのプラットフォームにむけたクロスコンパイル開発環境を活用できる
  • 最新かつクラウドと親和性の高い技術が採用されている



組込みシステムのハードウェア要件

組込みLinuxを深く理解するには、まず組込みシステムを構成するハードウェア要件を知ることが大切です。組込みシステムを開発するには、低消費電力、限られた演算性能、制限されたメモリとストレージの容量、SoCやボード毎に異なる周辺機器(ペリフェラル)への対応など、様々なハードウェアに関する制約を解決しなければなりません。Linuxは代表的なCPUアーキテクチャであるx86、Arm、PowerPC、RISC-Vなどに対応しているため、組込みLinuxを利用することにより、組込みシステムの要件を満たすハードウェアを自在に選択することができます。つまり、ハードウェアプラットフォームのメリットを最大限に活かしたシステムを開発することが可能です。

Wind River Linux LTS24が標準でサポートしている組込みボードとアーキテクチャ

  • WRL LTS 24 BSP for Intel Axxia ARM AXM5516 Amarillo
  • WRL LTS 24 BSP for AMD(Xilinx) Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU102 Evaluation Kit
  • WRL LTS 24 BSP for NXP QorIQ Layerscape LS1043A RDB
  • WRL LTS 24 BSP for NXP i.MX8M Quad Evaluation Kit (EVK)
  • WRL LTS 24 BSP for NXP S32G2 Reference Design Board 2 (S32G-VNP-RDB2)
  • WRL LTS 24 BSP for NXP S32G2 Evaluation Board (S32G-VNP-EVB)
  • WRL LTS 24 BSP for Intel Stratix 10 SoC Development Kit
  • WRL LTS 24 BSP for NXP QorIQ Layerscape LS1043A RDB (LS1023A Mode)
  • WRL LTS 24 BSP for NXP S32G3 Reference Design Board 3 (S32G-VNP-RDB3)
  • WRL LTS 24 BSP for Aptiv Aptiv Central Vehicle Controller CVC131
  • WRL LTS 24 BSP for NXP i.MX93xx Evaluation Kit (Rev B5)
  • WRL LTS 24 BSP for Intel Axxia ARM64 AXM5616 Victoria
  • WRL LTS 24 BSP for NXP i.MX6 UltraLite Evaluation Kit
  • WRL LTS 24 BSP for Texas Instruments TDA4VM Evaluation Board
  • WRL LTS 24 BSP for NXP QorIQ Layerscape LS1046A RDB (LS1026 Mode)
  • WRL LTS 24 BSP for NXP QorIQ Layerscape LS1046A RDB
  • WRL LTS 24 BSP for NXP QorIQ Layerscape LS1028A RDB
  • WRL LTS 24 BSP for NXP i.MX8 QuadMax Multisensory Enablement Kit (MEK)
  • WRL LTS 24 BSP for Raspberry Pi Foundation Raspberry Pi 4
  • WRL LTS 24 BSP for Marvell Marvell EV CRB CN102
  • WRL LTS 24 BSP for Marvell Marvell CN106xxS CRB
  • WRL LTS 24 BSP for Marvell Marvell CN96xx CRB
  • WRL LTS 24 BSP for Texas Instruments TDA4VH Evaluation Board (J784S4XEVM)
  • WRL LTS 24 BSP for Texas Instruments Sitara AM335x
  • WRL LTS 24 BSP for Texas Instruments Beaglebone Black
  • WRL LTS 24 BSP for AMD(Xilinx) Zynq-7000 EPP ZC706
  • WRL LTS 24 BSP for AMD(Xilinx) Zynq-7000 EPP ZC702
  • WRL LTS 24 BSP for NXP i.MX6SX SABRE-SDB
  • WRL LTS 24 BSP for NXP i.MX6Q SABRE-SD
  • WRL LTS 24 BSP for Microchip Technology Inc PolarFire SoC ICICLE Kit Board
  • WRL LTS 24 BSP for AMD EPYC Embedded 3000 Series (Snowy Owl)
  • WRL LTS 24 BSP for Intel x86 (includes Atom/Core/Xeon)
    • Intel Crestmont - Intel Grand Ridge SOC
    • Intel Sapphire Rapids - Sapphire Rapids CRB
    • Intel Alder Lake - Alder Lake-M LP5 RVP2
    • Intel Ice Lake - Ice Lake CRB
    • Intel Tiger Lake - Tiger Lake UP3 RVP
    • Intel Atom - Elkhart Lake RVP
    • Intel Atom - Snow Ridge NS SoC
    • qemuarm
    • qemuarm64
    • qemuarmv5
    • qemumips
    • qemumips64
    • qemuppc
    • qemuppc64
    • qemuriscv32
    • qemuriscv64
    • qemux86
    • qemux86-64


    組込みLinuxアーキテクチャの基礎

    組込みLinuxは、組込みシステムの基礎を固めるハードウェアと、組込みシステムの挙動を決めるアプリケーションとを結びつけるOSとして機能します。さらに組込みシステムを分割すると、組込みLinuxシステムのアーキテクチャは次の5つのレイヤーから構成されています。もし、組込みLinuxを自社で独自に開発して管理、運用する場合は、システムを構成するこれらすべての技術に精通したエンジニアを揃え、日々のメンテナンスコストを投じなければなりません。

    hypervisor

    組込みLinuxを構成するコンポーネント

    • ハードウェアレイヤー:プロセッサ、メモリ、ペリフェラル
    • ハードウェア抽象化レイヤー(HAL):ブートローダー、ボードサポートパッケージ(BSP)、デバイスドライバなど
    • Linuxカーネルレイヤー:システム全体を統合するソフトウェア
    • サービスレイヤー:ファイルシステム、GUIの提供、タスク管理など
    • アプリケーションレイヤー:組込みシステムの挙動を決めるソフトウェア


    自作組込みLinuxを開発して製品をつくる上での課題

    ここで、組込みLinuxを自社で開発する場合の課題を整理してみましょう。

    ボードサポートパッケージ(BSP)の開発

    ボードサポートパッケージ(BSP)は、特定のハードウェア環境でLinuxを実行するために必要なデバイスドライバや、デバイスドライバを構成する各種ルーチンを含んだソフトウェアパッケージです。BSPはCPUアーキテクチャとLinuxカーネルを接続するだけでなく、システムオンチップ(SoC)や組込みボードに統合されたペリフェラルを適切に制御しなければなりません。もし組み込みボードに対応するBSPが無く、自社でBSPを開発する場合、ハードウェアに関する専門的な知識とLinuxカーネルに関する知識の双方を兼ね備えたエンジニアが必要となることから人材を揃えることが最初の課題となります。さらにBSPの開発では、ハードウェアを制御するためのソースコードやバイナリパッケージの作成だけでなく、ハードウェアに則してカスタマイズしたテストスイートを作成し実施することをはじめ、組込みLinuxのライフサイクルにあわせてBSPを長期間メンテナンスし続けるコストが必要となります。

    アプリケーションやサービスの統合

    組込みシステムの中で実行されるアプリケーションは、サービスレイヤーに含まれるサブシステムを適切に呼び出し、組込みシステム全体を制御、インテリジェントエッジの挙動を決定します。組込みシステムごとにユースケースは様々ですから、サービスレイヤーをカスタマイズする必要があります。例えば、クラウドと連携する組込みシステムを開発するには、クラウドネイティブなソフトウェアや通信ライブラリを統合するといったことが求められます。一方で、不必要なライブラリを統合してしまうと、潜在的なセキュリティリスクとなるため、統合するサービスの選定は慎重に行わなければなりません。



    組込みLinuxディストリビューション入門

    Linuxディストリビューションには、組込みシステム向けのLinuxディストリビューションだけでなく、エンタープライズ向けのLinuxディストリビューションや、自社で開発し運用するLinuxディストリビューションに至るまで様々な種類があります。これらのLinuxディストリビューションの共通点と相違点、それぞれの特徴について理解を深め、組込みLinuxディストリビューションに求められる要件を学びましょう。


    エンタープライズLinux
    商用エンタープライズLinux コミュニティサポートエンタープライズLinux
    • Red Hat Enterprise Linux
    • SUSE Linux Enterprise
    • Ubuntu Server (Canonical)
    • Fedora
    • CentOS
    • openSUSE
    • Ubuntu
    • Debian

    Linux Communities (e.g., kernel.org)


    組込みLinux
    商用組込みLinux コミュニティサポート組込みLinux ハードウェアベンダー製Linux
    • Wind River Linux
    • Mentor Embedded Linux (FlexOS)
    • Mentor Embedded Linux (OmniOS)
    • MontaVista CGX (Carrier Grade Express) Linux
    • Ubuntu Core
    • Yocto Project (OpenEmbedded)
    • Buildroot
    • OpenWrt
    • Linaro Arm
    • ハードウェア固有の機能を直接操作できるSDKやツールが提供される
    • 無償あるいはハードウェアとセットで入手できる
    • 一部の機能はオープンなコミュニティサポートLinuxへ統合されない
    • CPetaLinux (Xilinx)

    Linux Communities (e.g., kernel.org)


    Roll-Your-Own Linux
    • オープンソースのソフトウェアを自社で収集して統合したLinuxディストリビューション
    • 自社製品に最適化されているが、ソフトウェアの更新やCVEへの対策を自社で管理する必要がある

    Linux Communities (e.g., kernel.org)





    エンタープライズLinuxと組込みLinuxの違い

    汎用サーバやデスクトップ向けのLinuxをエンタープライズLinuxと呼びます。エンタープライズLinuxには、Red Hat Enterprise LinuxやUbuntuなどのLinuxディストリビューションがあります。エンタープライズLinuxは、十分にハードウェアリソースが提供される環境下で、様々な用途に利用できることを目的として開発されたOSで、マルチユーザに向けたソリューションとしても利用されます。各種汎用機器上で実行できるように幅広いデバイスに対応できるデバイスドライバ群を含んでいます。

    エンタープライズLinuxは、Linuxのカスタマイズをパッケージのインストールと設定ファイルの変更に限定することにより、堅実なユーザエクスペリエンス、適度な信頼性、3~5年程度のサポートを提供します。しかし、これらのエンタープライズLinuxはハードウェアリソースを大量に消費することや、セキュリティ面における攻撃可能範囲が広いこと、保守期間が十分でないことから組込みシステムには適していません。

    一方で組込みLinuxは、エンタープライズLinuxのように様々な用途に対応できる汎用的なディストリビューションではなく、組込みシステムのユースケースを前提に設計されたディストリビューションです。組込みLinuxは、リソースの少ない環境での動作や、セキュリティ要件、高性能、高信頼性といったニーズを満たせるよう、コンパクトなコアを中心に構築されています。そして、組込みシステムのユースケースを満たせるよう、機能拡張のためのビルドシステムを提供するアプローチが取られます。

    エンタープライズLinux 組込みLinux
    • 特定の機器用に作られたものではない汎用OS
    • OSベンダーがOSを設計しビルドする
    • ユーザは純粋なバイナリ環境を入手して利用する
    • ユーザによる変更は、エディションの選択、アプリケーションのインストール、管理設定項目の変更などに限定される
    • 製品ライフサイクルは3〜5年程度
    • 一般的な利用方法に限りサポート
    • 特定機器向けにカスタマイズされた、特有の機能を提供するOS
    • エンドユーザが直接OSを操作することはない
    • ハードウェアやメモリの容量などの制約により、パッケージのカスタマイズやソースコードのビルド環境が不可欠
    • 重要なインフラに組み込まれ、安易にリプレースできない
    • 高いカスタマイズ性と高い信頼性が求められる
    • システムの導入コストが比較的高価となるため、システムのライフサイクルは5~10年あるいはそれ以上が求められ、組込みLinuxにもその期間に耐えうるだけのサポートが必要とされる




    組込みLinux:コミュニティサポートLinuxと商用Linuxの違い

    Linuxディストリビューションには、コミュニティによる無償サポートが提供されるコミュニティサポートLinuxと、企業による有償サポートが提供される商用Linuxがあります。商用Linuxのうち、組込み向けの製品が商用組込みLinuxです。商用組込みLinuxは、エンタープライズLinuxと同等のメリットを備えつつ、組込みシステムにおける特定のユースケースを想定して設計されたOSです。ハードウェアリソースが制限された環境でも実行できるよう設計されています。商用組込みLinuxは高いセキュリティ要件に対応し、高性能と高信頼性を併せ持ちます。拡張機能を追加・削除できるビルドシステムにより、組込みシステムそれぞれにカスタマイズしたLinuxディストリビューションを生成することができます。さらには、組込みシステムのライフサイクルに追従できる十分な保守期間が提供されます。こうした特徴から、商用組込みLinuxを選択することにより、高品質でロングライフの製品を短い開発期間で設計し、より早くリリース、安心して運用することができます。

    なお、コミュニティサポートLinuxと商用Linuxは完全に独立したものではなく、互いが良好な関係で連携することにより成り立っています。すべての商用LinuxはコミュニティサポートLinuxをベースとして構築されており、コミュニティサポートLinuxはイノベーティブな機能を最初に導入する源流として機能します。逆に、商用Linuxディストリビューションに対する各企業の投資は、商用Linuxの源流となったコミュニティサポートLinuxの支援となります。

    コミュニティサポートLinux 商用Linux
    • オープンソースの技術とコミュニティが開発したイノベーティブな技術により構築されている
    • コミュニティは、リーダー、メンテナ、コントリビュータ、ユーザといった組織構造から成り立っている
    • 各メンバーはコミュニティに対して自由に貢献できる
    • 革新的な技術の実現が重要視されている
    • 長期サポートは重要視されず、あまり期待できない
    • 不具合修正やCVEへの対策は後回しとされることが多い
    • 各ディストリビューションは、単一の企業や団体により管理されている
    • コミュニティが達成したイノベーションの成果が製品に取り込まれる
    • 5~10年の長期サポートが重要視される
    • オープンソースライセンスやポリシーの管理に対するリスクヘッジは提供元企業によって実施され、自社で個別にLinuxを直接導入するよりも低いリスクでLinuxベースのシステムを開発できる
    • SLA(サービスレベル契約)に従ったサポートが提供される
    • 不具合修正とCVEに対する改善が積極的に実施される




    Roll-Your-Own Linux

    Roll-your-own(RYO)Linuxは、無償で入手したオープンソースのソフトウェアコンポーネントを自社で統合し、製品向けにカスタマイズしたLinuxディストリビューションです。RYO Linuxの構築に利用される人気の高いツールやコンポーネントには、Yocto Project、Buildroot、Raspberry Pi OSなどがあります。

    Yocto Project

    Yocto Projectは、組込みLinuxの開発プラットフォームを標準化するプロジェクトです。Yocto Projectは異なるハードウェアプラットフォームに対して共通のツールでLinuxディストリビューションをカスタマイズできるようにし、ハードウェアプラットフォーム間の相互運用性と拡張性を向上させます。

    Buildroot

    BuildrootはクロスコンパイラによりPCから組込みLinuxを構成するコンポーネントを生成できるツールです。組込みシステムのターゲットを準備することなくPCのみで組込みシステムのルートファイルシステムを生成することなどができます。

    Raspberry Pi

    Raspberry Pi OSは、LinuxディストリビューションのひとつであるDebianをRaspberry Piのハードウェアに最適化した無償のOSです。Raspberry Pi開発環境に含まれるRaspberry Pi Imagerを利用することにより、起動用のmicro SDカードへLinuxディストリビューションをインストールすることができます。



    Wind River Linuxを採用するメリット

    Wind River Linuxは、 商用組込みLinuxマーケットシェアNo.1!※の業界最先端の組込みLinux開発プラットフォームです。15年の長期サポートや継続的デリバリー、クラウドネイティブアーキテクチャやコンテナ技術にも対応し、信頼性の高いインテリジェントエッジデバイスの開発を支援します。 Wind River Linuxは航空宇宙・防衛、産業、医療、自動車など品質への妥協が許されない分野にも対応可能な製品であり、お客様がインテリジェントエッジデバイスを開発する上で必要となる開発環境やツールをはじめ、開発を支援するプロフェッショナルサービスなどの幅広いサポートを提供します。Wind River Linuxを使うことにより、お客様は最終製品が実現するイノベーションの開発のみに注力ができるため、市場投入までの期間を短縮することができます。

    ※出典:VDC Research:The Global Market for IoT & Embedded Operating Systems( IoTと組込みOSの世界市場)

    hypervisor

    さらに、Wind River Linuxでは、ウインドリバーがすべてのパッケージについて、コンテンツ、著作権、ライセンスに関する完全な情報を提供します。組込みシステムに統合されるIP(知的財産)、ロイヤリティ、サブスクリプションの制約が解決され、法的な責任やコンプライアンスに関する問題を回避することができます。Roll-Your-Own Linuxで課題となるリスクや運用コストを大幅に低減できるため、総所有コスト(TCO)の削減も可能です。

    このように、40年にわたって組込みソフトウェアをリードし、15年以上オープンソフトウェアにも貢献してきたウインドリバーの商用Linux製品であるWind River Linuxは、世界中で数億にのぼるデバイスで稼働しており、製品計画、開発、商用デプロイにおいて高い信頼性と柔軟性を提供しています。



    組込みLinuxに関するFAQ

    組込みLinuxは、モバイル機器やルータなどのIoT(Internet of Things)機器の組込みシステムで動作するように設計され、特化したLinuxオペレーティングシステムです。
    オープンソースの性質、柔軟性とスケーラビリティ、幅広いハードウェアアーキテクチャのサポート、堅牢性と安定性、開発者とユーザーのための大規模なコミュニティがあることなどが挙げられます。
    小フットプリント、リアルタイムアプリケーションのサポート、パワーマネジメント、様々なネットワークプロトコル、カスタマイズ可能なユーザーインターフェイスなどが挙げられます。
    組込みLinuxは、特殊なユースケースのために特別に作られたハードウェアを実行するために使用されます。
    いいえ、組込みLinuxはRTOSではありません。しかし、ディターミニズムが必要なシステムでは、Linuxカーネルにpreempt-rtパッチを適用することで、同等の性能で同様の機能を実現できます。
    一般的なLinuxは、ワークステーションやサーバに使用されるエンタープライズOSのイメージがありますが、組込みLinuxは、目的に特化したデバイスやシステムに使われます。
    はい。Raspberry Pi OS(旧Raspbian)は、Debianディストリビューションをベースとし、Raspberry Piハードウェアに対応した組込みLinuxの良い例です。
    Linuxは、広く採用されていることと、コミュニティ主導のイノベーションにより、組込み開発で最も人気のある選択肢です。
    組込み Linux は、単純なデバイスがさまざまなタスクとそのアプリケーションを制限のある環境 (処理能力やメモリ使用量、および安全要件や極端な天候などの制約) で実行するために必要な最低レベルの機能から始まります。
    組込みLinux OSの例としては、Ubuntu SnappyやRaspberry Pi OSなどがありますが、Yocto ProjectやBuildrootなどの組込み用ディストリビューションビルダで構築することも可能です。
    Linux カーネルは開発者の大規模なコミュニティに基づいて進化しているため、常に新しいバージョンが最適です。 ただし、コミュニティが提供する継続的なイノベーションについていくのは難しいため、LTS (長期安定版) バージョンから始めることをお勧めします。
    Linuxは非常に汎用性が高く、デプロイするユースケースに応じた機能を発揮します。サーバやクラウドインフラストラクチャではRed HatやCentOSが、組込み用ではWind River Linuxがリーダーです。
    Linuxは、その幅広い機能と豊富な組込みハードウェアのサポートにより、組込みアプリケーションの開発プラットフォームとして最も人気があります。
    いいえ、Yocto Project は Linux ディストリビューションではありませんが、パッケージ、レシピ、OpenEmbedded のメタデータなどの再統合された要素を使用して、組込み用Linuxディストリビューションの構築を支援するツールです。
    ベアメタルとは、プロセスを管理するオペレーティングシステムを必要とせず、ソフトウェアがハードウェアリソース上で動作し、直接アクセスする方式のことです。
    組込みデバイスの要件を理解し、プロジェクトの目標を達成するために必要な部品表(Bill of materials/BOM)を把握することが重要です。次に、ハードウェアを選択し、必要な特定のハードウェアと機能に対応したボードサポートパッケージ(BSP)を備えた OS を選択します。
    組込み開発は目的に合わせて構築しているため、各プロジェクト別にカスタマイズされたバージョンが、お客様の組込みユースケースに最適と言えます。
    汎用 Linux と比較すると組込み向けの Linux ベースの OS を構築することは困難と言えます。これは、一連の明確な要件から開始し、対応するユース ケースに基づいて制約を理解し、メンテナンスの側面を考慮する必要があるためです。
    適切なハードウェアプラットフォームとLinuxディストリビューションの選択、システムの構成と必要なソフトウェアのインストール、組込みシステム環境用のアプリケーションの作成または適応させることで、組込みLinuxを使い始めることができます。開発者がこれらの作業を行うために、様々なツール、リソース、コミュニティフォーラムが利用可能です。
    Wind River Linuxの価格は、プロジェクト単位での価格設定です。製品出荷数単位でのロイヤリティは不要です。

    リソース

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    TCO Calculator

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    1. Optional add-ons
     
    TCO and Potential Savings
    Determine how your costs add up during the total life of your embedded Linux product.
     
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    Determine when your costs change at different lifecycle stages of your embedded Linux product.
     

    These figures have been derived from Wind River customer data.

     

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    Capture the information you’ve generated with the Linux TCO calculator, and save and share the results and analysis easily with your team. If you have any questions, please reach out and we will be happy to help get you on the fast track to cost-effective, rapid, and low-risk embedded Linux.

    Access Report Talk to a Linux Expert

    “50% of companies will face challenges due to lack of free open source software (FOSS) policy and management.”

    — Gartner Research

    Real-Time Containers for Intelligent Systems

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       Real-Time Containers  
      for Intelligent Systems
      

    Edge computing is forcing software consolidation close to data sources. More than 85% of global organizations will be running containerized applications by 2025, according to Gartner.

    Wind River® Principal Technologist Rob Woolley discusses real-time options and how to choose the one most applicable to your use case. View the entire session above, or select the sections you’re most interested in below.

    Rob Woolley

       Sample Highlights   

     
     
     

    Standards Leadership

    Aerospace & Defense Standards

    ARINC 653

    ARINC 653 (Avionics Application Standard Software Interface) defines, at a high level, an instance of software implementation of Integrated Modular Avionics (IMA) architecture. This software specification for space and time partitioning is directed toward safety-critical avionics real-time operating systems. In the context of IMA, it allows the hosting of multiple applications of different software levels on the same hardware.

    Wind River® VxWorks® 653 Platform implements ARINC Specification 653, the avionics industry’s standard for Integrated Modular Avionics (IMA). More than 220 customers use VxWorks 653 on more than 360 projects and 100 types of aircraft, both commercial and military.

    » Explore VxWorks 653 Platform

    Eclipse

    Eclipse is an integrated development environment that is used in computer programming. Originally developed by IBM, Eclipse comprises a base workspace and an extensible plugin system for customizing the program development environment.

    Wind River Workbench is based on Eclipse, the open standard development framework for enterprise systems. Wind River adds robust support for development of multi-threaded embedded software on single, multi-board, multiprocessor, and multi-core environments. In addition, our large partner ecosystem can now rapidly and reliably integrate into a wide range of Wind River solutions to deliver a rich development experience.

    Federal Information Processing Standard (FIPS) 140-3

    Cryptographic algorithms used within a system must be certified to the FIPS 140-3 standard as required by the United States Department of Commerce and the Canadian Centre for Cyber Security. FIPS 140-1 was initially published in 1994 and has progressed to 140-3, which was approved in March 2019 and implemented starting in September of 2020. FIPS 140-3 is in alignment with two international standards: ISO/IEC 19790:2012 (security requirements) and ISO/IEC 24759:2014 (test requirements), unifying the community across borders.

    With FIPS 140 certified cryptographic algorithms at the center of many standards (e.g., NIST 800-53, Security Requirements Guides), Wind River products have a long track record of supporting FIPS 140 certified algorithms, and our Professional Services organization can define a path for your Wind River product whether it is current or an older version.

    » Explore Wind River Linux

    » Explore VxWorks

    Future Airborne Capability Environment (FACE)

    FACE is a collaboration between government, industry, and academia that created a software standard and business strategy with the targeted objective to increase the affordability of airborne capabilities and shorten the time-to-field, bringing new capabilities and innovation to aviation faster. Integrating technical and business practices, the FACE approach creates a standard common operating environment to aid portable capabilities across software systems.

    Wind River fully supports the global standardization efforts of over 30 military avionics suppliers to create open platforms for rapid integration of a wide source of legacy and new applications on critical avionics systems. FACE is managed by The Open Group.

    A founding member of the FACE Consortium, Wind River currently delivers safe and secure platforms that will support the FACE Reference Architecture’s General Purpose, Safety, and Security operating system profiles.

    FACE General Purpose Profile: Wind River Linux products will support the FACE General Purpose Profile. With full compliance to POSIX 1003.1-2008, Wind River Linux will fully comply with the FACE General Purpose Profile that enables support for a wide range of applications on a standard-based foundation.

    FACE Safety Profile: For applications with strict safety and/or ARINC 653 time and space partitioning requirements, Wind River VxWorks 653 Platform will be the platform of choice to meet the FACE Safety Profile. With over 220 customers using VxWorks 653 on over 360 programs on more than 100 aircraft, VxWorks 653 is the market-leading ARINC 653 platform solution and will enable a wide range of commercial and military applications to be deployed on FACE platforms.

    FACE Technical Standard, Edition 3.2: Wind River Helix™ Virtualization Platform has achieved conformance to the latest FACE Technical Standard, Edition 3.2. The certification establishes Helix Platform conformance as an Operating System Segment (OSS) that supports the Safety Base Profile.

    » Explore VxWorks 653

    » Explore Wind River Linux

    » Explore Wind River Helix Virtualization Platform

    IEC 61508 – Functional Safety Standard (A&D Usage)

    The aerospace and defense segment uses IEC 61508, the functional safety standard for industrial, for various ground-based weapons, radar, on-board ship systems, and more.

    VxWorks Cert Edition provides a commercial off-the-shelf (COTS) solution for satisfying functional safety certification requirements with its complete certification and evidence package for IEC 61508 at SIL 3.

    Wind River Certified Network Stack for VxWorks Cert is an embedded TCP/UDP/IPv4 network stack that can be used in conjunction with VxWorks Cert Edition and includes complete certification evidence for IEC 61508 at SIL 3.

    » Explore VxWorks Cert Edition

    » Explore Wind River Helix Virtualization Platform

    Linux Standard Base (LSB) 5.0

    LSB is a set of standards for Linux distributions and applications aimed at providing cross-platform compatibility between LSB-compliant Linux distributions and applications. LSB was developed based on the POSIX® specification, Single UNIX Specification (SUS), and other open standards but extended them in certain areas. It is supported on x86, PowerPC, and MIPS architectures. Wind River Linux supports all required user space functionality to be LSB certifiable with the Linux Foundation.

    » Explore Wind River Linux

    OpenGL ES (Embedded Systems)

    OpenGL ES is a subset of the full desktop OpenGL, designed specifically to suit the requirements of resource-constrained embedded devices. For human-machine interface (HMI) and graphical user interface (GUI) requirements, VxWorks supports OpenGL ES for all 2-D and 3-D graphics requirements. Wind River also supports OpenGL SC for safety-critical applications through our partner program.

    » Explore VxWorks

    » Explore the Wind River Partner Program

    POSIX PSE52

    POSIX PSE52 is a product standard for operating system environments that provide real-time services based on IEEE Std 1003.13 Profile PSE52. For ease of integration with enterprise systems, VxWorks includes a wide selection of POSIX system calls, conforms to the IEEE Standard 1003.13 PSE52 embedded system profile, and is compliant with over 90% of the POSIX PSE53 profile.

    » Explore VxWorks

    POSIX PSE54 and IEEE 1003.1

    This product standard is targeted for operating system environments that provide real-time services that are based on the IEEE Std 1003.13 Profile PSE54. Application portability is supported at the source code level and includes the provision of a standard operating system interface and environment, along with a full file system implementation and support for multiple users. To accelerate the use of enterprise-derived software on embedded systems, Wind River Linux has full compliance to IEEE Standard 1003.1 and POSIX IEEE Standard 1003.13 PSE54, consisting of over 900 POSIX system calls.

    » Explore Wind River Linux

    RTCA DO-178C/EUROCAE ED-12C

    RTCA DO-178C and EUROCAE ED-12C are the short names for the guidance document “Software Consideration in Airborne Systems and Equipment Certification.” This guidance document was jointly developed by RTCA and EUROCAE, and released by each organization as harmonized documents. The document provides the avionics community with guidance for determining, in a consistent manner and with an acceptable level of confidence, which software aspects of airborne systems and equipment comply with airworthiness requirements. The document defines several Design Assurance Levels (DALs), from Level A to Level E; failure of Level A software would cause (or contribute to) a catastrophic failure condition for the aircraft which leads to loss of life. The right Design Assurance Level for your software is established in accordance with the system level safety assessment.

    The Wind River DO-178 and ED-12 COTS Certification Evidence DVD contains a complete DAL A certification package with over 70,000 hyperlinked files, enabling our customers to achieve lower development costs and faster time-to-market.

    VxWorks Cert Edition provides a COTS solution for delivering safety-critical applications that must be certified to the stringent requirements of RTCA DO-178 and EUROCAE ED-12 up to and including DAL A, the highest safety level.

    For IMA systems, VxWorks 653 Platform has an industry-leading COTS certification evidence package to support the use of ARINC 653 for systems requiring RTCA DO-178 and EUROCAE ED-12 up to DAL A.

    Wind River Certified Network Stack for VxWorks Cert and VxWorks 653 is an embedded TCP/UDP/IPv4 network stack that can be used in conjunction with VxWorks Cert Edition and includes complete certification evidence for RTCA DO-178 and EUROCAE ED-12 at DAL A.

    » Explore VxWorks Cert Edition

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    RTCA DO-297 and EUROCAE ED-124

    RTCA document DO-297, Integrated Modular Avionics (IMA) Design Guidance and Certification Considerations, is one of the key documents that are crucial to the approval of avionics and eventually to the certification of the host aircraft. The EUROCAE equivalent of DO-297 is ED-124.

    To enable multiple vendors to participate in deploying critical software platforms and applications in shared avionics compute platforms, VxWorks 653 supports platform supplier, application supplier, and system integrator role-based development using the RTCA DO-297 and EUROCAE ED-124 specification.

    » Explore VxWorks 653 Platform

    RTCA DO-254 and EUROCAE ED-80

    Published by RTCA and EUROCAE, the document RTCA DO-254 / EUROCAE ED-80, Design Assurance Guidance for Airborne Electronic Hardware, provides guidance for the development of airborne electronic hardware. In 2005, the FAA established DO-254 as a means of compliance for the design assurance of electronic hardware in airborne systems. It has established five levels of compliance, A through E, which are based on the effect a failure of the electronic hardware in the airborne system will have on aircraft operation. Level A is the most stringent, defined as “catastrophic” effect, and a Level E hardware failure does not affect aircraft safety.

    Software Communications Architecture (SCA) 2.2.1/2.2.2

    Produced by the U.S. Department of Defense Joint Tactical Networking Center, the Software Communications Architecture V 2.2.2 Product Migration Guide is an engineering-focused document intended to provide practical guidance and suggestions for migrating Software Communications Architecture (SCA) compliant products from version 2.2.2 to 4.1 compliance. The specification incorporates a host of features that facilitate the development and deployment of better performing radio products that are more secure, capable, and cost-effective.

    Wind River Linux and VxWorks fully conform to the JPEO Joint Tactical Radio Systems (JTRS) 2.2.1 and SCA 2.2.2 for rapid integration with critical communications components that accelerate deployment of software-defined radios (SDRs) into next-generation military and commercial communications systems.

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    Industrial Standards

    IEC 61508 – Functional Safety Standard

    For industrial, IEC 61508 is the functional safety standard. Some other standards that have been derived from IEC 61508 include international standard IEC EN 62304 for medical device software and the ISO 26262 Road Vehicles Functional Safety Standard (functional safety for automotive equipment for all automotive electronic and electrical safety-related systems). For railway transportation, there is EN 50128/9.

    VxWorks Cert Edition provides a COTS solution for satisfying functional safety certification requirements with its complete certification and evidence package for IEC 61508 at SIL 3.

    Wind River Certified Network Stack for VxWorks Cert is an embedded TCP/UDP/IPv4 network stack that can be used in conjunction with VxWorks Cert Edition and includes complete certification evidence for IEC 61508 at SIL 3.

    Helix Platform has been designed to be certified and to simplify the certification of safety-critical applications according to the stringent requirements of the DO-178C Software Considerations in Airborne Systems, IEC 61508 industrial functional safety, and ISO 26262 automotive safety standards.

    » Explore VxWorks Cert Platform

    » Explore Wind River Helix Virtualization Platform

    Linux Standard Base (LSB) 5.0

    LSB is a set of standards for Linux distributions and applications aimed at providing cross-platform compatibility between LSB-compliant Linux distributions and applications. LSB was developed based on the POSIX specification, SUS, and other open standards but extended them in certain areas. It is supported on x86, PowerPC, and MIPS architectures. Wind River Linux supports all required user space functionality to be LSB certifiable with the Linux Foundation.

    » Explore Wind River Linux

    OpenGL ES (Embedded Systems)

    OpenGL ES is a subset of the full desktop OpenGL, designed specifically to suit the requirements of resource-constrained embedded devices. For HMI and GUI requirements, VxWorks supports OpenGL ES for all 2D and 3D graphics requirements. Wind River also supports OpenGL SC for safety-critical applications through our partner program.

    » Explore VxWorks

    » Explore the Wind River Partner Program

    IEC 62443

    IEC 62443 provides a set of security standards for the secure development of Industrial Automation and Control Systems (IACS). It specifies a detailed, systematic set of cybersecurity recommendations for the defense of industrial networks against cybersecurity threats.

    VxWorks Cert Edition provides a COTS solution for satisfying functional safety certification requirements with a complete certification and evidence package for IEC 61508 at SIL 3. It is GE Digital® Achilles Level II certified for compliance with IEC 62443 part 4-2.

    » Explore VxWorks Cert Edition

    Automotive Standards

    ISO 26262 Automotive Safety Standard

    ISO 26262 is an international standard for functional safety in the automotive industry. It applies to the safety-related electrical and electronic systems for the hardware and software components installed in vehicles.

    Helix Platform has been designed to be certified and to simplify the certification of safety-critical applications according to the stringent requirements of the DO-178C Software Considerations in Airborne Systems, IEC 61508 industrial functional safety, and ISO 26262 automotive safety standards.

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    » Explore Wind River Helix Virtualization Platform

    Linux Standard Base (LSB) 5.0

    LSB is a set of standards for Linux distributions and applications aimed at providing cross-platform compatibility between LSB-compliant Linux distributions and applications. LSB was developed based on the POSIX specification, SUS, and other open standards but extended them in certain areas. It is supported on x86, PowerPC, and MIPS architectures. Wind River Linux supports all required user space functionality to be LSB certifiable with the Linux Foundation.

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    Medical Standards

    IEC 62304 Medical Standard

    The international standard IEC 62304 specifies lifecycle requirements for the development of medical software and software within medical devices. It has been adopted by both the United States and the European Union and can be used as the benchmark for compliance with regulatory requirements in both these markets. To release medical devices to market, medical device manufacturers must adhere to the requirements.

    Engineered with medical-grade requirements in mind, VxWorks Cert Edition meets regulatory approval for the IEC 62304 standard, combining strong, built-in security; well-defined software lifecycle processes; and careful attention to the constraints that govern the classification and use of medical devices.

    Helix Platform has been designed to be certified and to simplify the certification of safety-critical applications according to the stringent requirements of the DO-178C Software Considerations in Airborne Systems, IEC 61508 industrial functional safety, and ISO 26262 automotive safety standards.

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    Linux Standard Base (LSB) 5.0

    LSB is a set of standards for Linux distributions and applications aimed at providing cross-platform compatibility between LSB-compliant Linux distributions and applications. LSB was developed based on the POSIX specification, SUS, and other open standards but extended them in certain areas. It is supported on x86, PowerPC, and MIPS architectures. Wind River Linux supports all required user space functionality to be LSB certifiable with the Linux Foundation.

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    Transportation Standards

    EN 50128 Transportation Standard

    EN 50128 is a certification standard issued by CENELEC (the European Committee for Electrotechnical Standardization) that deals with the functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systems and other related software standards for use in railway control and protection applications.

    VxWorks Cert Edition provides a COTS platform for delivering applications that must be certified to the stringent international requirements of EN 50128 up to SIL 4.

    » Explore VxWorks Cert Edition

    WIND RIVER LINUX SOURCE DOWNLOAD

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    • Continuous monitoring and fixes for security vulnerabilities
    • Extended list of BSPs across a variety of architectures
    • ISO 9001:2015 quality management system standard certification
    • Licensing data, source code legal notices, and export disclosure