Wind River Studio Developer Testing Solutionで、組込みソフトウェアの
テストを効率化

JUL 29 2025 ソフトウェア開発

組込みシステムソフトウェアの開発やテストに携わったことがある方なら、ソフトウェアを動かすための物理ハードウェアがまだ手元に届かない、あるいは台数が限られている――そんな状況にもどかしさを感じた経験があるのではないでしょうか。さらに、開発チームが世界中に分散してリモートで連携している場合、限られた物理テストベンチに全員がアクセスし、開発初期からコードをテストするのは、なおさら困難です。

その結果、テストは遅れ、市場投入までの時間が延びてしまいます。チームは手作業での調整に追われ、インフラコストも増加します。さらに、開発サイクルの後半でテスト上の問題が発覚するリスクが高まり、最終的には製品の完成が遅れるという悪循環に陥ってしまいます。

しかし、今ではもっと良い方法があります。Wind River Studio Developer Testing Solution は、これらの課題を解決するために開発された製品で、組込みソフトウェアチームにスケーラブルに次のような方法を提供します。

  • 限定されたハードウェアをクラウド経由で安全に共有
  • 共有ハードウェアにリモートアクセスし、対話型または自動化されたテストを実行
  • 物理デバイスが使えるようになる前に、クラウド上でシミュレーションを実行

自動車、航空宇宙、産業機器など、さまざまな業界でも、Developer Testing Solutionがどのようにテストを効率化できるのか、実際の例を見てみましょう。

あなたのチームが次世代の自律型ドローンソフトウェアを開発しているところを想像してみてください。ところが、プロトタイプシステムがまだ使えず、開発者やQAチームはハードウェアの到着を待つしかない状況です。そのため、作業が滞っています。スケジュールには品質保証に必要な期間を確保しているものの、新しいデバイスの需要が非常に高く、アジャイルの原則を十分に活用するのが難しい状況です。その結果、スケジュールは後ろ倒しになり、開発者はユニットテストを次のイテレーション(反復サイクル)に先送りせざるを得なくなっています。

これはよくある話ですが、ハッピーエンドに変えられる方法があります。Developer Testing Solutionを使えば、チームは仮想環境や物理テストターゲットを安全に予約・利用できるようになります。QEMUIntel® Simics®、その他の同等のシミュレーションツールによる仮想環境も含まれており、組込みソフトウェアのテストをこれまでより早く開始し、スピーディーに進めることが可能になります。さらに、チーム間で柔軟に拡張することができるため、ハードウェアの順番待ちに悩まされることは、もうありません。

限られたハードウェアをチーム間でシームレスに共有する

Developer Testing Solutionを使えば、チームは限られたハードウェアをクラウド経由で安全かつ効率的に共有できるようになります。開発者は、Wind River Studio Virtual Labを使用することで、利用可能な物理および仮想のテストデバイスを一覧で確認し、必要なものを予約できます。また、集中管理されたアクセス制御により、スケジュールの重複も防げます。これにより、ハードウェアのボトルネックが解消され、グローバルに分散したチーム間でもハードウェアリソースを最大限に活用できます。

 Physical Target

リモート環境でハードウェアをテストし、チーム間のスムーズな連携を実現

デバイスを予約すれば、開発者はいつでも、どこからでもテストハードウェアにアクセスできます。Developer Testing Solutionは、手動テストでも自動化パイプラインでも、ターゲットデバイスへの安全なターミナルアクセスを提供します。チームはリアルタイムでテストを実行でき、必要に応じて予約の延長や終了が可能です。そのため、チームメンバーがどこにいても開発をスムーズに進めることができます。

 My reservation

クラウド上で早期にシミュレーションを実施し、より迅速に提供

ハードウェアがまだ利用できない段階でも、チームはクラウド上でシミュレーションを実行できます。Developer Testing Solutionは、QEMUIntel Simics、その他のシミュレーションツールを活用した仮想ターゲットをサポートしており、開発者は実際のハードウェアを使わずに、その動作をエミュレートしてテストを行えます。これにより、開発サイクルの初期段階からテストを開始でき、ソフトウェアを物理デバイスで動作させる前に検証・最適化することが可能になります。

なぜそれが重要なのか

Wind River Studio Developer Testing Solutionは、組込みソフトウェアチームがハードウェアの制約を乗り越え、地理的に離れたメンバー同士でも円滑にコラボレーションできる環境を提供します。クラウドベースのハードウェア共有、リモートアクセス、そして強力なシミュレーションツールを組み合わせることで、開発サイクルの初期段階からテストを開始できるようになり、ソフトウェアの品質向上と、市場投入までの期間の短縮を同時に実現します。さらに、インフラコストの削減にも貢献します。

組込みソフトウェアのイノベーションと同じスピードでテストを始める準備はできていますか? 詳細は、25.05 リリース を確認、またはStudio Developer 製品ページをご覧ください。

Intel および Simics は、Intel Corporation またはその子会社の商標です。