シミュレーション・プラットフォームを選択する前に考えるべき8つの要素

May 19, 2023 Simics

著者:
ステムシミュレーションプロダクトラインマネージャーJames Hui、
システムシミュレーションプログラムマネージャーRichard Burgin

シミュレーションは、開発者が物理的なハードウェアに依存せずに仮想的デザインの構築を可能にし、特にインテリジェントエッジにおいて、他の手段では実現が難しい独自の利点でソフトウェア開発に変革をもたらします。開発者は、製品開発のスピードアップ、開発サイクルの早い段階での問題の特定と解決、移植性とスケーラビリティの向上、開発サイクル全体における品質の向上などの柔軟性を得ることができます。

しかし、シミュレーションテクノロジーには多くの種類があり、いくつかのアプローチの選択肢があります。そこで、シミュレーションの取り組みを始める前に、考慮すべき8つの要素についてお話しします。

インテリジェントエッジで効果的なシミュレーションを行うための8つの要素

ここでは、シミュレーションプラットフォームを選択する前に検討すべき事項を簡単に説明します。各要素の詳細については、こちらのホワイトペーパーをご覧ください。

その1:シミュレーションプロジェクトの目的

シミュレーションプロジェクトの主な目的を確認することで、選択するシミュレーションソリューションの種類と方向性が決まります。プロジェクトのタイムライン、コスト、プログラムで改善したい品質、およびシミュレーションによってこれらの目標をどのように達成できるかを理解することが不可欠です。

その2:シミュレーションの必要性

プロジェクトの目的を理解したら、正確なシミュレーションのニーズを把握します。プロセッサレベルのシミュレーション、カスタムデバイスシミュレーション、フルシステムシミュレーションなど、さまざまなレベルのシミュレーションがあります。必要に応じて、実行時にデバイスを追加または除外するために必要なツールの柔軟性を決めることも重要です。

その3:ユーザとコラボレーター

プロジェクトの複雑さと、シミュレーションがプロジェクト目標の達成にどのように役立つかに焦点を当て、シミュレーションユーザのニーズと誰と協力するかを考慮する必要があります。ユーザとコラボレーター(共同作業者)には、テスター、開発者、アーティファクトエンジニア、システムエンジニア、エンドカスタマチームが含まれます。

その4:使いやすさ

クラウド接続とコラボレーションなど、開発者にとって、シミュレーションの使いやすさは重要な要素です。クラウドアクセス、DevOps統合、ユーザインターフェースなどの機能は、考慮すべき重要な事項です。

その5:モデル - 何を、どこで、どのように、誰が?

シミュレーションは、利用可能なモデルがあってこそのものです。たとえば、シミュレーションでデザインが利用できない場合、開発者は新しいボードモデルの作成を検討する必要があります。これは投資収益率とコストに影響を与えます。

その6:移植性とスケーラビリティ

現在多くの企業内でチームはクラウドに接続していますが、デスクトップ上でシミュレーションを実行する選択肢もあるはずです。移植性とスケーラビリティに関するその他の考慮事項には、バッチモードによるパフォーマンスへの影響、クローン作成のためのチェックポイント、複数のテストの並列実行、ディタミニスティックなシミュレーション結果、デバッグのためのシミュレーション状態の転送などが含まれます。

その7:基本的な機能と高度な機能

欲しい機能ではなく、基本的なものであれ高度なものであれ、必要な機能を理解することが重要です。シミュレーションプラットフォームの基本的な機能としては、プロセッサやボードのエミュレーション、プロダクションバイナリの使用、シミュレーションのノウハウを取得するためのスクリプト作成、シミュレーション制御のためのコマンドラインインタラクションが含まれます。高度な機能としては、内蔵デバッガ、データの再生、ディターミニスティックなシミュレーション、マルチスレッド機能、モデルのダイナミックリンク、人工仮想環境の作成があります。

その8:安全認証

ソフトウェア安全認証は、認証に伴う多くの課題を軽減するため、シミュレーションの利用が拡大している分野です。例えば、開発者は認証前のテストと検証に集中することで、このプロセスでの反復回数を減らすことができます。これにより、認証の総コストとリスクを削減することができます。また、障害を誘発するテストにシミュレーションを使用することで、ハードウェアの信頼性を向上させることもできます。シミュレーションは、認証取得に向け、チームの準備体制をより改善します。

結論

シミュレーションは、ソフトウェア開発において、他の手段では実現が困難なメリットがあります。シミュレーションプロセスを開始する前に、開発チームは上記の8つの要素を考慮して、シミュレーションテクノロジーを活用するためのパートナーを慎重に選択してください。早い段階で正しいシミュレーションの選択をすることで、リソース、コスト、効率性、ソフトウェア品質、ビジネス成果に大きな影響を与えることができます。

シミュレーションについてご不明な点がございましたら、ぜひウインドリバーへご相談ください

また、上記の8つの要素に関するオンデマンドのウェビナーも是非ご覧ください。