News Release
ボーダフォン社、欧州初の商用Open RANネットワーク構築に向けて 主要なパートナーを選定


ボーダフォン社、欧州初の商用Open RANネットワーク構築に向けて主要なパートナーを選定

 

Dell TechnologiesNECSamsungCapgemini EngineeringKeysight Technologies、ウインドリバーが、世界最大級のOpen RANネットワーク構築に向けて選定されました。

・本日の発表は、ボーダフォン社の英国ニューベリーに設立予定のOpen RANラボと、スペインのマラガ、ドイツのドレスデンに開設されるデジタルスキルハブに関するものです。

 

ボーダフォン社は本日、同社の戦略的ベンダーとして、DellNECSamsung ElectronicsCapgemini EngineeringKeysight Technologies、ウインドリバーを選定したことを明らかにしました。これら各社が合同で、欧州初の商用Open Radio Access NetworkRAN)を展開することになります。ボーダフォン社は、この取り組みが他の大規模Open RAN構築を加速させ、欧州各地における新たなデジタルトランスフォーメーションを牽引すると考えています。

ボーダフォン社とパートナー企業が先鞭をつけたOpen RANは、多様性のあるオープンなベンダーエコシステムを通じてイノベーションを促進し、コスト効率とエネルギー効率に優れた、セキュアな顧客中心型の未来のネットワークを実現します。

欧州委員会およびEU各国の政府による政治的な支援と産業政策の下で、Open RANには、この新興市場に多くの欧州企業を呼び込む潜在力があります。ボーダフォン社や、EUの主要なOpen RAN MoU加盟通信事業者は、この新しいネットワークアーキテクチャに基づくエコシステムが欧州で構築され、デジタルインフラストラクチャ技術をEUが主導するようになると確信しています。

ボーダフォン社では、まず202010月にコミットした英国2,500箇所に基地局を設置し、Open RANの展開に注力していきます。これは、DellNECSamsung、ウインドリバーの各社が合同で構築し、世界でも最大規模のデプロイメントになります。またボーダフォン社は、同社が参画する共同イニシアチブであるEvenstarプログラムによって規定された、新しい無線機器も導入する予定です。Capgemini Engineering社とKeysight Technologies社は、すべてのコンポーネント間の相互運用性を確保するためのサポートを提供します。

今年からパートナー企業は、ボーダフォン社と共同で、英国南西部の農村地域およびウェールズの大部分の地域における4Gと5Gのカバーエリアの拡大に注力し、その後都市部への展開していく予定です。ボーダフォン社はさらに欧州とアフリカの各国でもOpen RANの導入を計画しており、あらゆる人々がデジタル社会の恩恵を受けられる環境の実現に取り組んでいます。

ボーダフォン社の最高技術責任者、Johan Wibergh氏は、次のように述べています。「Open RANによって顧客は大きなメリットを得られます。ボーダフォンのネットワークが高度にプログラム可能で自動化されたものになることで、新機能を複数の拠点で同時にリリースし、容量の追加や割り当てを迅速に行い、障害を即時に解決し、企業にオンデマンドの接続を提供することが可能になります。

Open RANは業界の再活性化にも貢献します。広範なベンダーの参加によって技術革新が促進され、サプライチェーンが必要とする多様性が向上し、デジタル経済が活性化されるでしょう。」

 

注記:

戦略的ベンダー

英国でのオープンな分散型ネットワークを展開するこのイニシアチブの下で、Samsung社がリファレンスRANソフトウェアプを提供します。Samsung社とNEC社は、モバイルアンテナの容量を増大させるMassive MIMOを提供します。またSamsung社とEvenstar社の無線装置により、ユーザーのスマートフォンやデバイスとモバイルアンテナとの信号が確立されます。

Evenstar無線は、Telecom Infra ProjectTIP)の一環として「ホワイトボックス」無線装置を開発する、Facebook社とボーダフォン社の共同事業から生まれたものであり、Open RANの成功にとって不可欠な要素です。これによりベンダーは、Open RAN準拠の無線装置を大幅に低コストで開発するために必要な詳細な仕様が得られます。またベンダーの新規参入が促され、エコシステムの拡張とイノベーションにつながります。

初期のデプロイメントはCOTS(商用オフザシェルフ)Dell EMC PowerEdgeサーバーを使用して実装され、Wind River Studio によりContainers as a ServiceCaaS)ソフトウェアを実行するDU/CU複合機能をサポートします。これにより、Open RANアプリケーションとSamsungの仮想化RANをホストする、クラウドネイティブな分散型プラットフォームが構築されます。ボーダフォン社は、新しいソフトウェアリリースとアップグレードを適切に組み合わせてインストールすることが容易になります。

Keysight Technologies社は、適合性、相互運用性、およびE2Eシステムテストをサポートする、包括的なOpen RANテストソリューションポートフォリオを提供します。またCapgemini Engineering社は、ラボテストに関わる主要なパートナーとして、Open RANマルチベンダーエコシステムの円滑な運用を確保します。

デプロイメントでは、選択オプションとして、テストとシミュレーションによって適合性を確認したうえで、無線アンテナとベースバンド装置間のインタフェースを定義するO-RAN Alliance 7-2x splitが使用されます。それによりOpen RANネットワークでは、広範にデプロイされているRAN製品による従来型のソリューションに比べ、エネルギー効率の向上が見込まれます。

 

Open RANラボとスキルハブ

ボーダフォン社はさらに、複数のチップセットサプライヤとも協力関係を構築しています。これには、Open RAN開発への貢献が業界内で広く知られている、Intel社との緊密な共同研究開発(R&D)も含まれています。英国ニューベリーにあるボーダフォン社のOpen RAN Test and Integrationラボは、コラボレーションと新たなアイデアの導入を促進するイノベーションセンターとして設立された施設です。そこでは今後、ボーダフォン社がこのほど発表したQualcomm社とのパートナーシップを通じて、今後プロジェクトのためのソリューションが提供される予定です。

新しいOpen RANラボを補完するのが、マラガとドレスデンで新設される欧州デジタルスキルハブです。この2か所のスキルハブでは、それぞれ600人および200人のスタッフが雇用され、サイバーセキュリティ、モバイルプライベートネットワーク、Open RANを含む、複数のビジネス向けソリューションを開発する予定です。

 

業界内の連携

ボーダフォン社は他の通信事業者と連携して、小規模のベンダーやスタートアップ企業の参入障壁を軽減しようとしています。ボーダフォン社を始めとする通信事業者が最近発表したOpen RANの技術要件は、3GPPへの準拠を基本として、O-RAN Alliance(ボーダフォン社が加盟)による業界規格、さらにはETSI規格(欧州電気通信標準化機構が策定)に準拠した、新たな製品やサービスの開発を促進するブループリントになるものです。

*ウインドリバーとボーダフォン社の協業については、こちらのブログをご覧ください。

 

ウインドリバーについて 

ウインドリバーは、インテリジェントエッジ向けソフトウェアを提供する世界的なリーディングカンパニーです。そのテクノロジーは1981年の設立時より世界で最も安全かつセキュアなデバイスに搭載され、数十億を超える製品に使用されています。ウインドリバーは、ワールドクラスのグローバルな専門サービスとサポート、および幅広いエコシステムパートナーによってサポートされる、包括的なポートフォリオを提供します。ウインドリバーのソフトウェアと専門性は、最高水準のセキュリティ、安全性、信頼性を提供しながら、より優れたコンピューティングとAI機能が要求されるミッションクリティカルなインテリジェントシステムのデジタルトランスフォーメーションを加速しています。詳細については、ウインドリバーのウェブサイトをご覧ください。https://www.windriver.com/japan/ 

 # # #   

Wind Riverは、Wind River Systems, Inc. および同社の関連会社の商標または登録商標です。記載されているその他の商標は、各所有者に帰属します。