News Release
Wind River Linuxでコンテナ技術やクラウドネイティブなアプローチを組込みシステム開発に活用


ニュースハイライト

  • コンテナ技術は、小さなフットプリントや長いライフサイクルが求められるシステムで頻繁に活用されています。Wind River Linuxは、コンテナ技術をインテグレーションし、組込みシステムでのコンテナ活用を促進します。
  • Wind River Linuxは、KubernetesとDockerをサポートし、組込み開発者はこれらのテクノロジを簡単に利用することができます。
  • Wind River Linuxは、コンテナ技術を搭載することで、CNCFとYocto Projectのコンポネントを統合しました。

2019年6月11日、カリフォルニア州アラメダ発 – クリティカルインフラストラクチャー向けソフトウェアを提供する世界的なリーダー、ウインドリバーは本日、業界をリードするWind River Linuxにおいて、組込みシステムでのコンテナ技術の利用を容易にする新たな機能の強化を発表しました。今回の最新リリースでは、ビルド済みコンテナ、ツール、マニュアル類などのリソースを提供し、DockerやKubernetesといったフレームワークをサポートしています。これにより、組込みシステム開発者が、特にネットワークエッジのアプライアンスの開発でよく使われる、クラウドネイティブな開発アプローチを活用することが容易になります。Wind River Linuxは無料のダウンロード版があります。

IT(情報技術)は、運用やコスト面の効率向上といった魅力的な利点があることからOT(運用技術)の領域に浸透しつつあります。しかし、ITとOTでは主要システムや市場の要件が異なるため、ITテクノロジをOTシステムに単に適用しただけでは、導入を成功させることはできません。同様の状況は、コンテナ技術でも見られます。コンテナ技術には、拡張性や柔軟性を向上させるメリットがある反面、多くのフレームワークでは、ライフサイクルが非常に長いミッションクリティカルな産業向けの設計やサポートが欠けている状況です。

産業機器、医療機器、オートモーティブシステムなど、OT分野の組込みシステムは、ライフサイクルが長く、軽量で信頼性の高いソフトウェアが必要とされています。しかし、エンタープライズLinuxなどの既存のコンテナ技術やプラットフォームは往々にして肥大化していたり、アップデートが頻繁に必要になるため、組込みシステムで効率的に運用するのは困難です。

Wind River Linuxは、DockerやKubernetesのような開発やオーケストレーションのフレームワークのコンテナ技術を搭載しています。Wind River Linuxは、Yocto Project コンパチブルのクロスアーキテクチャコンテナ管理フレームワークを提供しています。Wind River Linuxは、OCI仕様に準拠し、Dockerコンパチブルであるのみならず、しばしば組込みシステムで要求される、軽量でスモールフットプリントになっているため、組込み開発でのコンテナ技術の使用を容易にし、その活用を加速します。

組込み分野の実績と専門性を生かした、Wind River Linuxのコンテナ技術であるOverCは、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)やYocto Projectのコンポネントを統合しており、組込みシステム向けにコンテナを構築、導入するための包括的なフレームワークの設計に役立ちます。ウインドリバーで開発され、現在GitHubで公開されているOverCは、ほぼすべてのプロセッサアーキテクチャ/オーケストレーションの環境をサポートしています。

ウインドリバーの製品担当バイスプレジデント、ミッシェル・ジェナールは次のように述べています。「コンテナのようなクラウドネイティブなコンピューティングアーキテクチャやテクノロジは、スピード、スケーリング、経済的メリットにより、多くの利点をもたらします。しかし、組込みシステム向けテクノロジに関わるコスト、複雑さ、適切なリソースの不足が妨げとなり、コンテナ技術の使用は一般的に困難でした。ウインドリバーのインテグレーション済みのコンテナプラットフォームを利用することで、組込み開発者はコンテナ技術を容易に活用し、イノベーションや開発を加速できます。ウインドリバーは、数十年にわたる組込みシステムの専門性により、また15年以上にわたる活発なコントリビューターとして、オープンソースの支援に全力で取り組んできました。ウインドリバーはコミュニティの独自のニーズを十分に理解しています」

Linuxコンテナは、データセンターやIT環境で広く実装されてきましたが、使い勝手の良いインテグレーション済みプラットフォームやエコシステム全体での有効な取り組みがなく、スモールフットプリントでライフサイクルの長いエッジ組込みシステムにコンテナ技術が使用されるケースは多くありませんでした。今回のリリースにより、Wind River Linuxを使用することで、産業用制御システムや自動運転車、医療機器、IoTゲートウェイ、無線アクセスネットワーク(RAN)製品、幅広いネットワークアプライアンスなど、多様なアプリケーションの組込みソフトウェアプロジェクトで、コンテナ技術を導入しやすくなりました。ウインドリバーのコンテナ技術は、ニヤーエッジからファーエッジにわたり、クラウドネイティブな開発を可能にするほか、クリティカルインフラストラクチャー機器にも適しています。

Wind River Linuxのコンテナ技術とエッジコンピューティング向けソフトウェア製品であるWind River Helix™ Virtualization Platformなどのテクノロジを活用することにより、異種OSを混在させてデターミニズムの確保、安全認証の取得、組込みシステムの厳格な要件を満たしながら、コンテナの拡張性の活用ができます。

ミッションクリティカルなシステムのライフサイクルに対応するために、Wind River Linuxサブスクリプションでは、セキュリティアップデートを含む、長期サポートとメンテナンスを提供します。計画的なウインドリバー製品のリリースサイクルの下で、オープンソースから最新コードが実装されます。お客様は、サービスやトレーニングを活用し、デバイスに最適化されたソリューションを構築することができます。商用グレードのISO 9001:2015認証を取得したWind River Linuxや、そのサポート、また受託開発を利用することにより、社内で対応する場合と比較して、生産コストとメンテナンスコストの大幅な削減や開発サイクルの加速を実現することが可能です。

ウインドリバーセキュリティチームは、CVE(共通脆弱性識別子)データベース、米国の政府機関や米国立標準技術研究所(NIST)、US-CERTといった組織、公開/非公開のセキュリティメーリングリストが公表するセキュリティ通報を常時監視しており、お客様をサポートしています。

ウインドリバーは、受託開発サービスを提供し、カスタマイズしたコンテンツマネージメントやバージョン固定メンテナンスなど、プラットフォームの構築やメンテナンスを支援します。また、サポートエンジニア、環境のホスティング、技術者によるサポート、オンラインの対話型セルフヘルプなど、幅広いサポートサービスを提供しています。プレミアムサポートは、お客様特有の環境、アプリケーション、ハードウェアを把握し、専任のサポートチームが対応しますので、納期が厳しいプロジェクトには特に有効です。

Wind River Linuxの詳細については、こちらをご覧ください。
www.windriver.com/japan/products/linux/
Wind River LinuxはGitHubからダウンロードできます。

ウインドリバーについて
ウインドリバーは、エッジコンピューティングソフトウェアを提供する世界的なリーディングカンパニーです。そのテクノロジは1981年から世界で最も安全でセキュアなデバイスに搭載され、20億を超える製品に使用されています。包括的なポートフォリオは、ワールドクラスのグローバルなプロフェッショナルサービスとサポート、広範なパートナーエコシステムに支えられています。ウインドリバーのソフトウェアと専門性は、最高水準の安全性、セキュリティ、パフォーマンス、信頼性が要求される重要インフラシステムのデジタルトランスフォーメーションを加速しています。詳細については、ウインドリバーのサイトをご覧ください。
www.windriver.com/japan

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Wind Riverは、Wind River Systems, Inc. および同社の関連会社の商標または登録商標です。記載されているその他の商標は、各所有者に帰属します。

※本プレスリリースは2019年6月11日に発表したプレスリリースの抄訳です。
https://www.windriver.com/news/press/news-

 

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