ウインドリバーとマーベルは、通信サービスプロバイダー(CSP)向けに、確立された5Gネットワークの機能、パフォーマンス、エネルギー効率に加え、クラウドスケーラビリティを提供するオープンな仮想化無線アクセスネットワーク(vRAN)ソリューションを共同で開発しました。この協業により、Marvell®OCTEON®10 Fusion 5GベースバンドプロセッサとWind River Studioクラウドソフトウェアの業界をリードする補完的な2つの技術が統合されました。そして、キャリアエコシステム向けに、5Gネットワークやデータセンターで広く実証されている技術をベースにした、すぐに導入可能なvRANプラットフォームの提供を実現しました。
CSP は、確立された IT インフラストラクチャを活用して、サービスのアジリティを高め、クラウドネイティブなRAN で DevOps を合理化することを目指しています。マーベルのOCTEON 10 Fusionプロセッサは、オープンソースの業界標準インターフェイスに基づくプログラマビリティと、Wind River Studioなどの主要なクラウドソフトウェアプラットフォームとの統合により、これらの目標をサポートしています。
OCTEON 10 Fusion ソフトウェアドライバは、Wind River Studio ソフトウェアのオープンソース配布を保証するために、オープン開発および統合プロジェクトである StarlingX で使用されています。マーベルのドライバにより、Wind River StudioソフトウェアとOCTEON 10 Fusionプロセッサとの相互通信および制御が可能になります。これにより、開発者が最適化されたvRANシステムにアクセスすることが容易になり、CSPの新たな選択肢となります。また、RANやデータセンターのハードウェアとソフトウェアサプライヤ、システムインテグレータによるキャリアエコシステムの拡大に貢献します。
OCTEON 10 Fusionプロセッサは、5Gアプリケーションの高まる需要に対応するため、高性能とエネルギー効率の両方に最適化されています。また、業界をリードするArm®Neoverse™ N2 CPUコア、一連のプログラマブルDSPコア、および5Gベースバンド、ネットワーク、セキュリティ向けの幅広いハードウェアアクセラレータを備えています。新しいハードウェアアクセラレータの1つは統合インラインAI/MLエンジンで、AIで強化されたMassive MIMOビームフォーミングなどのRANアプリケーションのための効率的なエッジ推論を可能にします。
Wind River Studioは、商用展開されたクラウドネイティブなKubernetesおよびコンテナベースのアーキテクチャを提供し、大規模な分散型エッジネットワークの開発、デプロイ、運用、サービスを簡素化することができます。地理的に分散されたクラウドネイティブなvRANインフラストラクチャを展開・管理する際の複雑な課題に対応するように設計されています。また、オープンソーステクノロジーをベースにした地理的に分散したマネージドソリューションの基盤を提供し、物理的な場所に関係なく、数千ものノードを一元管理することにより、構築フェーズと運用フェーズを簡素化します。
ウインドリバーとマーベルは、CSP向けに包括的で使いやすいソリューションを提供し、5Gネットワークの導入を加速します。CSPが無線ネットワーク全体で一貫した信頼性と効率性の高いサービスを提供できるよう、クラウドネイティブなRANへのシームレスな移行を実現することを目指します。