ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がL2軌道に無事到着
ウインドリバーのテクノロジーが、宇宙での新たなマイルストーン達成に貢献

Jan 24, 2022 航空宇宙・防衛

著者:Paul Parkinson/ポール・パーキンソン

究極のインテリジェントシステムである、ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡がL2軌道へ無事到着したことを大変嬉しく思います。NASAゴダード宇宙飛行センター、おめでとうございます!

ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡は、打ち上げ成功から1カ月で、150万キロを移動してL2軌道に到達しました。準安定軌道にはいると、宇宙初期の最も遠い観測可能な銀河を過去に遡って眺め、その進化と星や惑星系の誕生を明らかにするというミッションの次のエキサイティングな段階を開始します。

これまでジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡は、打ち上げ、ロケットからの分離、折り畳んでいた太陽電池パネルの展開、軌道修正、望遠鏡本体を太陽光などから守る日よけの展開、主鏡と副鏡の展開という多くの重要なステップを経てきました。これらの成功はすべて、NASAとそのパートナー、そして科学者やエンジニアの専門知識と貢献の賜f物です。宇宙旅行の時代では、宇宙が過酷で容赦のない環境であることを忘れがちですが、2度目のチャンスは無いためミッションを課せられたシステムには失敗は許されません。

VxWorks数多くの宇宙開発プログラムに導入されています。今回のジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡にもVxWorksが採用されており、ISIM(統合科学機器モジュール)の耐放射線プロセッサ上で動作するISM科学ペイロードアプリケーションにOSサービスのレイヤを提供しています(NASA ISIMカンファレンスペーパー図21参照)。私たちは今回の重要なミッションでのVxWorksの役割を誇り思います。安全性、セキュリティ、信頼性は、ウインドリバーのDNAの一部です。このDNAは、Wind River Studioの一部であるVxWorksリアルタイムOS(RTOS)の開発と進化を後押ししています。

ISIMには、近赤外線カメラ(NIRCam)と近赤外線スペクトログラフ(NIRSpec)、中赤外線機器(MIRI)など複数の機器が収められています。これらが、宇宙の絶え間ない膨張によって電磁スペクトルの赤方偏移を受けた、最も遠い観測可能な銀河や最初の発光天体からの画像データを処理します。

ウインドリバーは、NASAのこの素晴らしい成果を皆さんとともに祝い、これからの科学の進歩と、「我々はCosmos(宇宙)をありのままに理解しなければならず、宇宙がどのようなものであるかを、私たちがどのようであってほしいと望むことと混同してはいけない」という、故カール・セーガンが著書「Cosmos」の中で提起した課題に答えることを期待しています。

ウインドリバーは約30年にわたり、NASAに最も実績のあるソフトウェアプラットフォームを提供しています。数多くのインテリジェントシステムを宇宙に送り出し、史上最も重要な宇宙ミッションを実現しています。ウインドリバーのテクノロジーが宇宙で果たしてきた役割と実績の詳細については、以下をご覧ください。
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