ノキア、ウインドリバーのクラウド基盤でvDU(virtualized Distributed Unit)のテストに成功

March 06, 2023 通信

5Gを成功に導く5GクラウドRAN

通信事業者は、2025年までに5GネットワークのモバイルCAPEXに9000億米ドル近くを投資すると予想されています※1。 またその間に5Gは、飛躍的に増加する可能性があるライセンス型のセルラーIoTを除いても、18億接続が増加すると期待されています。ここに大きなビジネスチャンスへの期待が寄せられていることは言うまでもありません。5Gは新しいユースケースと新しい要件をもたらします。没入型サービスをはじめとする、5Gの新しいサービスや技術でビジネスチャンスを効果的に獲得するには、スケーラビリティ、低遅延、高パフォーマンスとキャパシティ、さらに新しい運用モデルが求められます。

5Gサービスを提供するためには、ユーザの近くで超低遅延でデータを処理する必要があるため、無線アクセスネットワーク(RAN)への投資が重要な領域となります。また、何千ものノードにまたがる地理的に分散した環境でコンピューティングが行われるため、一元化されたダッシュボード、つまり「一元管理」による分析、最適化、メンテナンスが、運用効率を上げる唯一の方法となります。

ノキアとウインドリバーは、ウインドリバーのクラウド基盤上で、ノキア5G AirScale Cloud RANのvDU(virtualized Distributed Unit)をテストすることに成功しました。

ノキアの次世代5G AirScale Cloud RANソリューションは、vDUとvCU(virtualized Central Unit)を備え、拡張性、低遅延、高パフォーマンス、大容量に加え、複数のネットワークアーキテクチャのオプションを提供し、高まる市場の需要に対応します。また、コスト効率よくアプリケーションの要件を満たし、あらゆる場所でユースケースのレイテンシの要求を満たすことが可能になります。これにより、モバイルおよびコンバージドCSPへのRANの導入では、さまざまな選択肢が提供されます。

AirScale Cloud RAN vRAN2.0は、5G基地局を完全にクラウド化し、無線機に近いクラウド上のネットワークエッジで、リアルタイムでのベースバンド処理を行います。ネットワークエッジでのクラウドベースのリアルタイム処理は、最も厳しいレイテンシ要件に対応するだけでなく、需要の変化に合わせて拡張することが可能です。 また、5Gのカバレッジとキャパシティの追加を可能にし、TCOを大幅に削減することができます。 AirScale Cloud RANは、Wind River Studioのクラウドインフラストラクチャプラットフォームテクノロジーでのテストに成功しています。

ウインドリバーは、ミッションクリティカルなインテリジェントエッジ向けソフトウェアを提供する世界的なリーディングカンパニーです。 セキュリティ、安全性、信頼性を必要とするミッションクリティカルなインテリジェントエッジシステムの開発、デプロイ、運用、サービスを行うための、初のクラウドネイティブプラットフォームであるWind Studioを提供しています。一元管理によって、ライフサイクル全体にわたりデジタルスケールを可能にし、お客様のビジネスの変革と成功の加速を支援します。

Wind River Studioは、インテリジェントな5Gエッジネットワークのグローバルな展開・管理を可能にする、インフラストラクチャを統合した「クラウドプラットフォーム」と「アナリティクス」の2つの主要機能を備えています。

Wind River Studioは、エッジクラウドインフラストラクチを管理するために、非常に小さなフットプリントで動作する商用グレードのKubernetesクラウドプラットフォームを提供しています。オープンソースのStarlingXプロジェクトをベースとし、分散ネットワークの構築と管理を効果的に行うために必要な機能を実現する、クラス最高のオープンソーステクノロジーを統合しています。

Wind River Studioは、クラウドRANのような分散型クラウドが導入されると、機械学習アルゴリズムを用いてデータを収集、処理し、意思決定に役立つさまざまな情報を可視化することで、分散クラウドシステムの効率的な管理をサポートします。 また、クラウド基盤を構成するクラスタやサービスのフルスタック監視機能により、クラウド基盤の動作に関するデータを収集、分析、可視化し、運用コストを抑えながらクラウドの可用性向上と運用の最適化をサポートします。

ノキアとウインドリバーは、ウインドリバーのクラウドインフラストラクチ上でノキアのvDUを実行し、システムでエンドツーエンドの5Gデータコールに成功しました。

「ノキアのAirScale Cloud RANソリューションは、オープンでクラウドネイティブベースのソリューションであり、ウインドリバーのような主要なエコシステムプパートナーとの協力に期待しています。ノキアは、Wind River Studio上で動作する仮想化分散ユニット で、エンドツーエンドの5Gデータコールに成功しました」
--ノキア、5Gクラウドソリューション責任者、Tomi Vahtera氏

Nokia AirScale Cloud RANソリューションの詳細についてはノキアに、Wind River Studioの詳細についてはウインドリバーにぜひご相談ください。

※1 GSMA Intelligence