リアルタイムタスクにとってのリアルタイムデータの必要性

March 09, 2023 VxWorks

ゲスト投稿:McObject社、COOのChris Mureen氏

ハードリアルタイムシステムは、組込みシステムやソフトリアルタイムシステムと同じ軌道をたどっています。ハードリアルタイムシステムはより精巧なシステムであり、より複雑なデータに対してより多くのことを行うことが求められています。これまでリアルタイムシステムの開発者は、データベース管理をハードリアルタイムタスクと分けるか、リアルタイムでのデータ管理を行わないか、または、独自のリアルタイムデータベース管理を開発する必要がありました。しかし、複雑化するシステムと高度化するデータ管理要件に対応するため、これらの解決策はもはや通用しなくなりました。

データベース管理をリアルタイムタスクから切り離すことは、不必要な複雑さとリスクをもたらし、最終製品の品質を低下させます。リアルタイムのタスクには、リアルタイムデータへのアクセスが必要です。

リアルタイムでデータベース管理を行わないことは、もはや取れる解決策ではなく、また、独自のリアルタイムデータベースシステムを開発することも最適とは言えません。そのため、リアルタイムシステムの開発者は、今のニーズを満たすのに十分なデータ管理機能を実装するだけになっています。データベース管理を分離するのと同様に、新規のコードを追加すると、プロジェクトが複雑になり、リスクが増加します。「必要に足るだけ」の実装では将来の成長の余地がなく、データベースシステムの原理を深く理解していないと、同時実行制御や ACID プロパティへの準拠などの重要な機能が取り残されたり、不適切に実装されたりする可能性があります。

リアルタイムデータベース管理の理想的なソリューションは、リアルタイムオペレーティングシステム、リアルタイムファイルシステム、リアルタイムグラフィックスとHMI、リアルタイムプロトコルスタック、リアルタイムデータ配信サービスと同様です。信頼できるパートナーによって実装、テスト、文書化、サポートされたディターミニスティックな商用オフザシェルフ(COTS)リアルタイムデータベースシステムは、データベース管理をリアルタイムシステムの他の部分から分離することなく、カスタムのコードを取り除き、データベース管理システムの全機能を備えています。これにより、プロジェクトの複雑性とリスクを軽減します。

以上のことがきっかけとなり、eXtremeDB/rtが作られました。


Gartner社によると、2022年までにデータの50%以上がエッジで生成・処理されるようになると言われています。多くの場合、このデータは、精緻な処理、要約・集約、接続の不安定が原因によるアップロードの遅延、デバイスにローカルで保存することが必要となります。リアルタイムデータベースは、このデータストレージを簡素化します。近代の実装は、ファイルシステムのように使用できると同時に、さらなるレベルの分類を提供し、アクセスのロジックを効果的に簡略化します。さらに、近代のシステムで使用されているメタ情報は、ファイルシステムを超えたストレージソリューションの恩恵を受けています。例えば、複雑な構成ベクトル、人工知能 (AI) モデル データ、マップ、モーション情報、薬物投与量などがあります。

エッジでのインテリジェントシステムを推進するVxWorksは、レイテンシとジッターが最小限に抑えられた、ディターミニスティックなプライオリティベースのプリエンプティブ方式のRTOSです。アップグレード可能で将来性のあるアーキテクチャで構築されており、組込みシステムが変化する市場要件やテクノロジーの進歩に迅速に対応できるよう支援します。VxWorksは、C++17、Boost、Rust、Python、pandasなどをサポートする唯一のRTOSであり、エッジに最適化されたOCI準拠のコンテナエンジンも備えています。開発者が最も好む言語、ツール、テクノロジーを使用して、リアルタイムデータベース管理システムなどの最も重要な部分を革新することを可能にします。