Open Group Future Airborne Capability Environment Consortiumは、2010年に設立されました。Future Airborne Capability Environment Consortium (FACE™) は、すべての軍事用航空機プラットフォームのための、オープンなアビオニクス環境を定義することを目的に、政府と産業界によるソフトウェアとビジネスの連携を図る目的で開始されました。以来、FACEの影響と意義は拡大し、防衛産業の航空防衛プラットフォームの開発・製造に活用されるオープンスタンダードとなりました。
では、FACEはどのようなオープンスタンダードなのでしょうか。
政府と産業界の協力で構築されたFACEのアプローチは、航空機の機能をより安価にし、軍用戦闘機の新機能の実用化までの時間を改善することを目的としたソフトウェアスタンダードであり、ビジネス戦略です。
FACEは、テクニカルおよびビジネスプラクティスの両方を統合することにより、アビオニクスシステム間で航空機能の容易な移植性を提供する標準的な共通オペレーティング環境を確立しています。この規格は、航空機のアーキテクチャーセグメントに要求されるものと、それらをつなぐ主要なインターフェイスを定義しています。これにより、異なるハードウェアコンピューティング環境間でソフトウェアコンポーネントを再利用し、古いソフトウェアから新しいソフトウェアへの迅速な置き換えを容易にし、アップグレードと新しいシステム両方の機能を向上させることができます。
FACEのユニークなアプローチの1つは、新しい規格ではなく、すでに市場で実績のある既存の規格であるARINC 653やPOSIXなどをベースに、それらの規格を取り入れ融合した方法を提供している点です。
FACE™による航空機の安全性
航空システムにとって、安全性は常に重要な要件です。FACEは、航空機の安全性、特にデジタルが活用される戦場においてどのような役割を果たすのでしょうか。FACEは安全規格ではありませんが、オープンスタンダードな目的とアプローチにより、新しい航空システムの構築に簡単かつ迅速に使用できるアビオニクスシステムの安全機能を開発するための最適な標準環境となっています。このため、FACEには安全システムのためのプロファイルが含まれています。安全性の工学的手法は、FACEテクニカルスタンダードの領域外であり、業界のベストプラクティスやRTCA DO-178Cのような既存の安全プロセスに委ねられています。問題は、アビオニクスシステム開発者がFACEを航空機の安全性のためにどのように活用できるかということです。
ウインドリバーは、3名のアビオニクス専門家を招き、ウインドリバーの航空宇宙・防衛ビジネス開発担当シニアディレクターのロベルト・ベッラ(Roberto Valla)の司会のもと、「Airborne Safety with FACE™ in the Digital Battlespace(デジタル戦場 におけるFACE™による航空機の安全性の向上)」について、オンラインパネルディスカッションを行いました。3名は、Open Group Future Airborne Capability Environment Consortiumとアビオニクステクノロジーおよびシステムについて幅広い知識を持つ、航空宇宙・防衛技術の専門家です。
・Collins Aerospace、アビオニクス部門システムエンジニアリング担当 アソシエイトディレクター、Levi VanOort氏
・Rapita Systems、マルチコアソリューション担当プリンシパルエンジニア、Steven VanderLeest氏
・ウインドリバー、 航空宇宙・防衛業界ソリューションズ ディレクター、Alex Wilson
上記のRapita Systems、Collins Aerospace、ウインドリバーの航空専門家が、以下の問題について議論しました。
・次世代のアビオニクススタンダードを確立するためにFACEを適用する際の考慮点
・FACE準拠のテクノロジーは互換性があるが、どのように区別したらよいのか
・FACE適合が不可欠なデジタルの世界で、新たな安全課題に取り組むにはどうすればよいのか
ウェビナーの内容は、簡単に視聴できるように4つの短い章に分割し、ウインドリバーのWebサイトに掲載しました。ご興味のある章を選択してご覧ください。
・パネラーのご紹介
・FACEの紹介/FACEの概要
・FACEの課題
・Q&A
詳しくはウェビナー「Airborne Safety with FACE™ in the Digital Battlespace」をご覧ください。https://www.windriver.com/resources/webinars/airborne-safety-with-face-in-digital-battlespace