
第1回 香港の結婚式にて
コラムの第1回目は、どんなネタにしようかなと考えていたのですが、6月といえばジューン・ブライド、とむりやりこじつけて、結婚式の話から始めることにします。
最近、甥が香港で結婚式を挙げました。ちょうどそのころ、私は仕事でマカオに滞在していたので、ちょっと抜け出して参加することにしました。
新郎は、外資系ホテルの営業スタッフとして香港で働いています。新婦は、香港で英語の先生をしている方で、彼女が日本の大学に留学していた時に二人は知り合ったそうです。日本のホテルで働いていた甥が急に転職して海外に行ったと聞いたのは何年前だったでしょう。当時は驚いていたのですが、帰国した彼女を追いかけて海を渡ったというのが真相なのかもしれません。

さて、結婚式と披露宴は盛大でした。招待客は120人ほど。新郎も新婦も末っ子だったためか、70代、80代の方が多く、落ち着いた雰囲気の中で進められたのが印象に残っています。
とはいえ、堅苦しくはありません。香港の披露宴は、日本のような着席スタイルではなく、立食パーティ形式が主流。ですので、立ち話で、国籍や性別を問わず、いろいろな方とお話することになりますました。スピーチも国際色豊かです。新郎側の主賓は、エリアマネジャーを担当する甥の上司。日本を離れて慣れない文化の中で働く彼の仕事ぶりを評価しながら両親を勇気づける心のこもったスピーチを英語で行いました。続いたのは、新婦の先輩にあたる先生。祝福の言葉は中国語です。
やはり言葉の壁はあります。会場に集まった日本人は日本語、香港人は中国語の広東語が母国語です。年配の方にとって外国語はハードルが高いようで、多くの方が英語も片言です。そんな中、英語を媒介とするコミュニケーションが成り立ったのが面白いところです。英語の先生のグループは英語ができるのですが、日本語はわかりません。私は中国語がわかりませんが、英語はわかります。そこで、日本人と香港人が会話するときに、私が日本語から英語に通訳し、英語と広東語の分かる方が英語から広東語に通訳するという流れが行ったり来たりするのです。
私が招かれたのは、通訳が無料で、しかもお祝いを持って来てくれるから? いえいえ。邪推ですね。国の枠を超えて、二人の若者が素晴らしい結婚式を挙げ、その場に居られたことは、大きな喜びです。
国際結婚がこれほど多くなるとは、われわれの世代には想像もできなかったことです。私の親族で国際結婚したのは2組目。新郎や新婦の友人から話を聞くと、海外に恋人がいたり、国際結婚したりしている人が多いことに驚かされます。言語や文化の違いを超えた結婚は大変でしょうが、そもそも結婚を文化の土台と考えればいいのかもしれません。ゲーテも、「結婚生活はすべての文化の始めであり、頂上である」と言っていますからね。
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