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TSN(Time Sensitive Network)とIIoT


投稿者:Mark Hermeling, 2/23/2016

モノのインターネット(IoT)は、データがその全てです。データへアクセスし、そのデータを理解し、そしてそのデータを基にアクションを起こすのです。インダストリアルIoT(IIoT)もこの点は同じで、私達の生活を便利にしてくれる様々なアイテムを制御するデバイスにIoTを拡張します。これには発電所、水処理施設、風力発電所、製造ライン、車両組み立てロボット、携帯電話、その他日常的に利用するデバイスが含まれます。

この種の制御用デバイスは、パフォーマンスデータ、オイルの温度、ベアリング摩擦、震動、ツール偏差、エラー状態、その他大量のデータを生成します。これらすべてのデータがデバイスの動作に関する情報を提供する貴重なものであり、そのデータの処理が、すでに発生している問題や、発生しそうな問題の早期発見につながります。

ロボットによる測定でツールの位置が少しずれていることがわかった場合、ツール、開発されてきた製品、製造ライン自体など、様々な原因が考えられます。この状態を検出することで、エラーの拡大や作業のやり直し、最終顧客への不良品提供を防止することができます。

水処理施設内の特定のプロセスで水量の突然の増減が判明した場合、バルブの詰まり、フィルタの汚れ、あるいはパイプ内の他の部分で調整が必要な可能性があります。

IIoTの推進要因は共通しています。発生元でこのような状況を把握することで、エラーの拡大を防止し、コストを削減します。General Electric社が作成した1%の効果を示した素晴らしいインフォグラフィックがあります。産業効率を1%向上するだけでどれだけのコスト削減が期待できるかを表したものです。

このようにデータは重要です。データの高速処理は通常クラウド内で行われ、数百数千の類似デバイスから収集したデータや履歴データを参照します。このデータは一般にはリアルタイムのものではないため、ベストエフォートで送信できます。ただし、産業用制御デバイスの場合、リアルタイム性も重要です。デバイスをリアルタイムで制御するだけでなく、パフォーマンスデータを送信できなければなりません。

今や、デバイス制御の多くがローカルに行われています。ロボットには、センサーを読み取り、アクチュエータを稼働するローカル制御ノードがあります。ただし、コラボレーションする2台のロボットがある場合、またはロボットへのヒューマンインターフェースがある場合、何らかのオンプレミス、あるいはさらに離れた場所にあるサーバーによって、デバイスをリモートで制御できなければなりません。ローカル制御ノード以外で、ファクトリフロア内のリアルタイムデータセンターから製造ラインを制御できれば様々なコスト削減効果が期待できます。この場合の制御データはジッターがゼロに近いマイクロ秒で、完全なリアルタイム保証がされたものでなければなりません。さらに、この種のデバイスは小型で価格も手頃なものでなければなりません。つまり、こうしたデータ収集と制御を1本の回線で行う必要があるのです。

こういったパターンは決して目新しいものではなく、同じような機能統合がIT業界における仮想化で発生しています。現在、ネットワーキング業界でもネットワーク機能の仮想化(NFV)が進んでおり、産業用デバイスでもデバイス機能の仮想化(DFV)が行われるようになるでしょう。

前述のように、このような統合(デバイス機能の仮想化)を実現するためには、汎用データとジッター値の低いリアルタイム制御機能を単一回線上で組み合わせる必要があります。そしてまさにそのために必要なのが、Time Sensitive Networking(TSN)なのです。TSNはIEEE 802標準で定義されており、リアルタイムの制御データを、汎用データと同じネットワーク接続で送受信できるようにするオープンプラットフォームです。TSNはEtherCAT、ProfiNETなど、その他の独自性の高いプロトコルで得た知識を基に構築されています。TSNは多くの企業が構築基盤として使用できるオープンプラットフォームの提供によって、複数のベンダーが提供しているデバイス間のワーストケースジッターをマイクロ秒レベルに抑えることを目指しています。

これが実際に可能であることを実証するため、Industrial Internet Consortiumは、National Instruments、Bosch Rexroth、Cisco、Intel、Kuka Robotics、Schneider Electric、TTTechなど、複数のベンダーのデバイスが含まれたテストベッドを共同で作成しています。ウインドリバーは安全性とセキュリティの高いVxWorksリアルタイムオペレーティングシステム提供の一環としてTSNのサポートに取り組んでおり、このテストベッドのリアルタイムノードにVxWorksが使用されています。このテストベッドと参加企業に関する詳細は、こちらをご覧ください。

VxWorksのTSNサポートにより、すべての参加者に共通のグローバルタイムが提供できます。また、ハードウェア機能によって、プロセッサとネットワーキングデバイスがローカルタイム、グローバルタイムとの関連付けを行い、パケットの送受信にそれを活用できるようにします。