
ワレ火星ニ到着セリ
投稿者:Mike Deliman, 2012/08/06
今日は記念すべき日です。我々は人類史上最も高度な無人探査機を火星に送り込みました。スカイクレーンコンセプトを実証したことで、今まで実現していない、他の惑星の探査への道も開かれます。人類は、火星表面に1メートルトンの物質を送り届けられるようになったのです。
これは言葉では表せられないような偉業です。新しい時代が火星で幕開けしました。驚異的な科学的成果を達成できる可能性が開かれたのです。人類史上に刻まれるこの偉業は、7,000名以上のチームによって実現したものです。そしてまた、チームメンバーも家族や周りの人の支えなしではこの偉業を成し遂げられなかったでしょう。そして、私自身、このような偉業の達成を可能にしたテクノロジをもつウインドリバーで働いていることを、大変誇りに思います。
以下の実況中継の時刻はすべてアメリカ中部標準時間(インディアナ州バルパライゾ)です。
10:30 pm 私たちはNASA-TVとUSTREAMのJPL3チャンネルの報道向けストリームにアクセスしました。数時間、モニターに目をくぎ付けにしながら、それぞれの音声放送を交互に聞きました。
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10:40 pm DSN(ディープスペースネットワーク)、信号転送準備完了。EDL(突入・降下・着陸)チーム、準備開始。EDL「トーンスクリーン」、最終段階。飛行制御室の会話はほとんど聞こえない。
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10:52 pm MSL(マーズ・サイエンス・ラボラトリー)からの火星の視野角は約20°。かなり接近してきた。
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10:54 pm EDL準備。すべてのワークステーションマイナーアラームが解除される
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10:55 pm ベントパイプ・ダウンリンク、UHF帯で準備完了
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11:00 go/no-go(可否判定)準備開始。アップリンク送信機停止?ED&Lまで90分
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11:06 go/no-go点呼。ゴー!0410UT/11:10pmまで中止命令を受け付け可能
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11:11 MSL、ダイモス(火星の衛星)の公転範囲内に到着
アップリンク遮断。キュリオシティを自動操縦に切り替え、自律航行開始。
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11:12 MROカメラ。MRO(マーズ・リコネッサンス・オービター)シーケンサーは収録可能、全観測装置待機中。
MO(マーズ・オデッセイ)にED&L中継を行うための軌道修正指示を送信、ベントパイプ中継のために姿勢制御。
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11:14 MO、通信遮断域に突入、0500UT時までにテレメトリ復旧予定
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11:15 全通信システム、EDL準備完了
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11:18 準備チェック開始。着陸地点はマリネリス峡谷よりさらに標高の低いゲール・クレーターに決定。過去に水が火星に存在していたとしたら、ここに流れていた可能性が高い。
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11:20 ETVとMAX、「ゴー」判定
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11:21 オデッセイ(MOの愛称)の軌道が低いため、小さな隆起や丘でもベントパイプ中継が中断されてしまう恐れがある。その場合も、MROを経由して情報を保存および転送できるが、ベントパイプに比べると数時間の遅延が発生する。必要なテレメトリデータを入手するために、データを回収した後に処理しなければならなくなるのだ。
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11:25 ピート・サイジンガー氏がMPF(マーズ・パスファインダー)、MER(マーズ・エクスプロレーション・ローバー)、そしてMSLの技術的な進歩を比較。それぞれのミッションの着陸楕円の大きさを比較して、精度の向上を示すスライドを紹介。ものすごい進歩だ。
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11:29 GDL待機中。
MOのテレメトリ、30〜40分で復旧予定。ED&Lに間に合う。MOはまだ姿勢制御中。姿勢制御機動中はアンテナを「待機」させる必要がある。
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11:30 最も理想的なEDLよりもやや「北」である。つまり、ED&L制御はすべて目標通りである。ナビゲーション端末でトラブル発生中。
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11:31 FSTBテストベッド、ローカルネットに切り替え
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11:33 ED&L責任者が現状を会見
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-> 10:06 カリフォルニア州パサデナ時間、アンカープロセスを開始、10:11pmより通信を「トーン」に切り替え。テレメトリ消失時間は約13.5分。数分でマーズ・オデッセイにリンクして「ベントパイプ」を開始。パラシュートを展開。パラシュートが展開されるとテレメトリは切れると思われる。
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11:39 双方向通信停止、MSLから単方向通信を再取得。パケットデータ停止。
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11:30 ゴールドストーン送信機を停止した後、単方向データ復旧。ED&L44分前。
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11:42 EDLアラーム停止。ED&Lメインプログラム準備開始。
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11:43 アラーム停止
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11:44 FSTB飛行システムテストベッド停止。
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11:45メイン移行テーブルが有効化され、EDL開始、アンカー開始
EDL飛行制御切り替え完了。
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11:47 ヒーター停止。
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11:49 rtpdパケット、オン。FSTB試験良好、不具合なし
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11:50 デルタポール準備
テレメトリ記録中、またテレメトリを記録中。
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11:52 デルタ(ポール)実施中。
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11:53 EDLシーケンスはメインモード確認、全装置良好。
全システム良好。巡航ステージヒーター解除。MARDIヒーター解除。メインバルブ温度34℃、OKだが想定よりも2〜3度高め。アビオニクス良好。バックアップコンピュータ良好。アンカー後のFSW計測は良好。リアルタイムデータのみ受信中。DSNでの測量は解除。
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11:55 探査機からの火星の視野角は38°。
EDLチーム、巡航チームから引き継ぐ。巡航チームは任務完了。キュリオシティは最高の準備で到着準備完了した。キュリオシティを無事に火星まで送り届けた巡航チームに賞賛あれ!
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11:58 巡航フェーズは正式に終了。これよりEDLを開始…
11:58 ピーナッツを開封して配布。余談だが、かつてレンジャー6号のチームではピーナッツを用意しておらず、同プロジェクトではトラブルが発生した。レンジャー7号のチームはピーナッツを用意しており、ミッションは成功。レンジャー7号はアポロ計画の準備に大きく貢献した。
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12:01 オデッセイ、ベントパイプデータ通信開始、ゴールド、イエロー、レッド通信回線開通。
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12:02 突入22分前。状態良好。まもなくオデッセイからのデータ中継開始
(要約:オデッセイはMSLからデータを受信して、地球にリアルタイム中継するために姿勢を「制御」する必要がある。つまり、アンテナを格納して姿勢制御を行って、アンテナを再度展開しなければならない。最近、オデッセイのリアクションホイールが1つ故障し、スペアを使用しているため、チームは操縦方法を「再学習」する必要があった。リアクションホイールは計4つしかない。X、Y、Z方向に1つずつ、そして予備の「平行」ホイール。予備のホイールはほかが故障するまでロックされていて動かない)
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12:04 オデッセイの「ベントパイプ」中継データを待機中
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12:06 EDL Ops。オデッセイ状況報告。予定時刻にロック解除を行い、リアルタイムテレメトリも「良好の模様」だが、平行移動の結果とデータ中継の結果待ち。
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12:07 Navフィルター停止、EDLアンカー準備完了
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12:08 EDLフェーズ。MSLは秒間約1マイルで移動中。
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12:10 EDL。トーンによると突入機は準備完了状態でロケット装置も待機状態
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12:11 ロケットバス安全装置解除、点火準備完了
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12:12 ロケット点火。重心が移動したのは冷却材が放出されていることを意味する(予定通り)
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12:13 EDLのトーン:ゴー!
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12:14 EDLサポート、ゴー。キャリア信号、トーン良好。ハートビートおよび強いトーン信号を確認。RCS(姿勢制御システム)スラスタOK。まもなく巡航ステージ切り離し。
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12:15 ハートビートとトーンの強度、予定どおり、やや低下。つまり、巡航ステージの「ドーナッツ」が分離してMSLを「通り過ぎた」ことを意味する(素晴らしい)
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12:16 RCS準備中。MSLの回転を停止して大気圏突入のための姿勢制御を開始(MSLは回転しながら航行していた。この姿勢制御により、誘導突入が可能になる)
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12:17 回転停止完了。姿勢制御完了。トーンによると、バラスト装置分離完了。秒速5.4キロ。信号強度良好。
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12:18 EDL開始。経過良好
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12:19 ハートビート良好。6分経過。突入インターフェイス良好。トーン良好。秒速5.5キロ。経過良好。
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12:20 ロケットで突入姿勢に回転。大気圏突入中、突入機は右、左、右にバンク機動。オデッセイ依然データを中継せず。
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12:21 MROがデータの保存、転送サポート中の予定
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12:23 大気圏突入1分前。(恐怖の7分間がまもなく開始)
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12:24 信号強度低下…信号損失。トーン復帰。感度良好
(恐怖の7分間開始!)
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12:25 逆噴射間もなく開始。誘導突入準備。
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12:12+ 誘導突入開始
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12:26 目標地点に誘導中、1回目マイクロ噴射完了。最大減速値、温度地点を通過(11〜12地球G)
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12:26+ オデッセイベントパイプ、受信可能だがパイプにデータ到着せず
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12:27 オデッセイ、データ良好。
12:27+ 目標地点に降下中…
12:27++ チームは状態良好を報告、ヒートシールドのデータ良好
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12:28 マッハ2.4、高度17 KM、現在「飛行機のよう」に飛行中
12:28+ パラシュート展開準備
12:28++ バラスト分離
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12:29 パラシュート展開…ロケット噴射準備完了…突入機の減速を確認。
12:29++ 火星表面にレーダー、ロックオン…。地表が見えた!
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12:30 ロケット噴射待ち。火星の位置から見て地球が「沈んだ」ため、直接データ受信は終了。オデッセイのベントパイプ、動作良好。
12:30+ バックシェル分離準備…動力飛行準備…
12:30++ オデッセイ信号良好、高度500メートルを降下中…スカイクレーン準備完了。
安全な着地点を確認!
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12:31 スカイクレーン始動…。
12:32 デルタ良好、飛行状態安定…。火星表面への着陸完了
(恐怖の7分間完了)
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画像受信待ち。
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12:33 スカイクレーン、安全な距離まで飛び去る。ハートビートとテレメトリ良好。
画像受信中
12:34 最初の画像をベントパイプ経由で受信中
12:34+ 最初のサムネイル到着。地平線と車輪を確認。火星に無事到着。
「車輪が見えるぞ!」
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12:36 さらに画像を受信。後部hazcam(危険物回避カメラ)から高解像度画像だ。レンズカバーに付着している埃、レンズに太陽の炎、そして埃の向こうのぼやけた地平線が見える。
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12:37 地平線がクリア、火星表面の岩や小石がそして車輪が見える。
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12:38 前面hazcam画像を受信。キュリオシティの影が地表にはっきり見える。オデッセイはシャープ山の後ろに隠れたため、ベントパイプを終了。
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ムード:着陸に安堵
原文はこちら:http://blogs.windriver.com/aerospace_defense/2012/08/all-your-mars-are-belong-to-us.html
本社ブログサイト:http://blogs.windriver.com/


