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三菱電機株式会社 C言語コントローラ「Q12DCCPU-V」
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三菱電機株式会社 C言語コントローラ「Q12DCCPU-V」

三菱電機、最新のC言語コントローラにウインドリバーのテクノロジーを採用
FA統合コンセプト「iQ Platform」により新世代FAの実現を支える

三菱電機は、2009年1月、汎用シーケンサ製品「MELSEC-Qシリーズ」において、最新のC 言語コントローラ「Q12DCCPU-V」を発売しました。この製品は、FAのシーケンス制御を行う際に一般的に用いられるラダー言語ではなく、C言語で制御プログラムを記述することが可能で、組み込みソフトウェアの開発で主に使用されているC言語を、そのままシーケンサ環境に適用できるのが特長です。同社はこの製品のRTOSとしてVxWorks 6.4、統合開発環境としてウインドリバーのWind River Workbench 2.6.1を採用。同社が構想する統合プラットフォーム「iQ Platform」に対応させています。


- Customer Profile -
植木 正史(うえき ただし)氏
三菱電機株式会社 名古屋製作所
開発部 コントローラ開発グループ
専任
 
天野 貢次(あまの こうじ)氏
三菱電機株式会社 名古屋製作所
開発部 コントローラ開発グループ
三菱電機株式会社 名古屋製作所
〒461-8670 愛知県名古屋市東区矢田南五丁目1番14号
URL:http://www.MitsubishiElectric.co.jp/melfansweb

 

C言語環境で高精度なFA制御を実現

三菱電機株式会社(以下、三菱電機)が販売する汎用シーケンサ製品の「Q12DCCPU-V」は、マイコンボードやパソコンのC言語プログラムの流用を可能にし、高速で高品質な情報・演算処理、通信処理、入出力制御などと柔軟なシステム構築を支援する最新のC言語コントローラです。従来品である「Q06CCPU-V」の特長をそのまま継承した同製品は、CPUのスペック向上やメモリ容量の増加などにより基本性能を大幅に向上。より精度の高いFA制御を可能にし、通信機能も強化しており、半導体、液晶、太陽電池また公共インフラなどをはじめとするハイテク業界から大きな注目を集めています。

同社の開発部 コントローラ開発グループ 専任 植木 正史氏は、「最新のC言語コントローラは、ユーザや市場の要望を取り入れ、使いやすさ、高信頼性などはもちろん、 “高速化”と“上位サーバとの連携強化”を新たなコンセプトに掲げて開発しました」と語ります。

Q12DCCPU-Vの開発に向けて同社は、それに搭載するRTOSと統合開発環境の検討・評価を開始しました。RTOSの選定では、従来より販売しているC言語コントローラ「Q06CCPU-V」において、ユーザの堅牢なシステム構築を支えてきたVxWorks5.4の実績を高く評価。さらに進化したVxWorks 6.4を実装することで、装置の機能UPやシステムの性能、信頼性などを大幅に向上できると判断し、導入を決めました。

一方、統合開発環境においてもウインドリバー製のWind River Workbench 2.6.1の採用を決断。同社、開発部 コントローラ開発グループ 天野 貢次氏は、「Wind River Workbenchは、次世代IDEの標準であるEclipseフレームワークに基づいているため、自社製、サードパーティ製やオープンソース等のさまざまなプラグインを容易に組み込めます。ユーザにとって、組み込みシステムの拡張性を強化しやすいことがメリットになると判断しました」と話します。

また、同社はWind River Workbenchの利用効果を試算し、エディットからコンパイル、デバッグ、コード解析、テストに至るシステム開発サイクルの大幅な効率化を見込みました。これも選定の大きなポイントでした。

システム開発にあたっては、ウインドリバーの開発支援サービスを利用。VxWorksの開発ノウハウや経験を保有し、スムーズに開発を進めることができました。2009年1月、三菱電機は最新のC言語コントローラの販売を開始しました。


開発サイクルを短縮し、エンジニアリングコストを削減

Q12DCCPU-Vに組み込まれているVxWorksとWind River Workbench は、ユーザに大きな恩恵をもたらしています。

植木氏は、「開発の各段階で監視、解析、デバッグを行うための開発ツールが統合されているWind River Workbenchを使用することで、ユーザはデバッグ過程においてプログラムの潜在的な欠陥を早期に検出し、装置の品質や信頼性を大幅に向上させることが可能です。また、本体の前面に搭載されている7セグメントLEDを活用すると、さらにデバッグ作業を効率化できますし、運用に入ってからも問題特定時間を短縮することができます」と語ります。

また、Wind River Workbench が搭載しているGUIをベースとした使いやすいランタイム解析ツール「システムビューア」などを利用すれば、ユーザはこれまで約2週間を要していたデバッグ作業を約1週間に短縮することが可能。ひいては、ハードウェアの立ち上げからミドルウェア統合、アプリケーション開発に至るプロセスを効率化し、エンジニアリングコストを削減できます。これは大きな付加価値です。


ウインドリバーのテクノロジーがiQ Platform構想を支える

三菱電機では、integrated Q(統合Q)、improved Quality(高品質)、intelligent&Quick(高機能&高速)、innovation&Quest(革新&探求)の要素から、生産現場の最適化を目指すFA統合コンセプト「iQ Platform」を提案しています。使いやすさや安定性だけでなく、“高速化”と“上位サーバとの連携の強化”を指向した最新のC言語コントローラがこのコンセプトを踏襲していることは大きなポイントです。

たとえば、最新のC言語コントローラは、従来のC言語コントローラに比べCPUの性能を大きく向上させており、データ転送の高速大容量化を実現しています。具体的には、モーションCPUとシーケンサCPU、C言語コントローラを専用の高速バスで連結し、最大14Kワードの大容量データを0.88ms周期で同期させ、高速転送することが可能です。ユニットをまたいだデータのやりとりを高速化することで、工場装置のタクトタイム短縮を目指しています。

天野氏は、「iQ Platformへの対応に使われている技術やアーキテクチャは他社には真似できないコア技術。ウインドリバーのテクノロジーは、このコンセプトを具現する技術として不可欠になっています」と話します。

また、イーサネットの2チャンネル搭載によりさまざまな用途に応じたネットワークの分離が可能になり、ネットワーク構成の柔軟性が高まりました。これによりユーザは、たとえば各イーサネットポートからMESやEESなどの上位サーバと接続し、リアルタイムな通信処理を行い、システム稼動率向上や生産性向上につなげることができます。植木氏は、「上位通信用のネットワークと制御装置内のネットワークを切り離しておけば、片方で通信異常が発生してもシステム全体に影響を与えません。また、上位ネットワークから装置内ネットワークへの不正アクセスを防止できるため、セキュリティの強化にも役立てられます」と語ります。

さらに、パートナー(日本電能社)製品との組み合わせにより、半導体、液晶分野、太陽電池などで多く使用されているSECS通信もプログラムレスで容易に実現可能です。制御以外にも上位サーバとの通信にC言語コントローラは大きく貢献します。

三菱電機は今後、パートナーとの協業体制をより一層強化し、ユーザや市場の要望を取り込んだ継続的なバージョンアップを行うことで、C言語コントローラをさらに進化させていく計画です。