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株式会社モバイル・テクニカ 無線IP電話機 「MobbyTalk」/「MobbyTalk253」
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株式会社モバイル・テクニカ 無線IP電話機 「MobbyTalk」/「MobbyTalk253」

無線IP電話機「MobbyTalk」および「MobbyTalk253」にVxWorksが採用

モバイル・テクニカは、IPコミュニケーション市場に向けた製品として、無線IP電話機の「MobbyTalk」を開発・提供しています。オープンなプロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)の採用やIEEE802.11bに対応することで、企業向け構内PHSの代替や固定IP電話の無線化などに向けた無線IP電話機です。また、現在、次世代機である「MobbyTalk253」の開発も完了し、製品提供が開始されました。この「MobbyTalk」や「MobbyTalk253」にウインドリバーのVxWorksが採用されています。


- User Profile -
棚池 恒夫 氏 松倉 隆 氏
棚池 恒夫(たないけ つねお)氏
株式会社モバイル・テクニカ
コアテクノロジーセンタ
最高技術責任者(CTO)
松倉 隆(まつくら たかし)氏
株式会社モバイル・テクニカ
開発営業部
マネージャ
株式会社モバイル・テクニカ
〒162-0845 東京都新宿区市谷本村町2番11号 外濠スカイビル
URL:http://www.mobiletechnika.jp/
モバイル・テクニカは、IPコミュニケーション市場に向けた製品として、IPコミュニケーションサーバ「xCube」、無線IP電話機「MobbyTalk」、ソフトフォン「MobbyTouch」などを開発・提供しており、さらにFMCソリューションサービス事業などを行っています。

 

プロトコルにSIPを採用し無線LANとしてIEEE802.11bに対応

NTTドコモがPHS(Personal Handy-phone System)サービスの新規申し込み受付の終了を打ち出すなか、現在運営している構内PHSを代替するシステムを求める声が強まっています。また、IP電話の普及に連れて、固定IP電話機を無線化したいというニーズも高まってきました。

モバイル・テクニカが開発・提供している「MobbyTalk」は、まさにこういった要求に応える無線IP電話機です。プロトコルにIP電話機ではスタンダードとなっているSIPを採用し、無線LANとしてIEEE802.11bに対応しており、同じくモバイル・テクニカが開発・提供している「xCube(クロスキューブ)」と組み合わせて利用します。(図1)


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図1:xCubeを中核とした中規模オフィス(5〜100名)に向けたIPビジネスフォンシステム

「無線IP電話機を開発しようとしたのは、ワイヤレスLANの利用が拡大し、IP電話サービスが普及してきたことを背景として、ワイヤレスLANによるVoIPの可能性が広がってきたことからです」(棚池氏)という。

「MobbyTalk」の主な特長として、

(1)筐体一体型のアンテナによるスマートな折り畳みデザイン
(2)1.7インチ/4096色のカラー液晶
(3)ダイパーシティアンテナ搭載
(4)電池込みで96gの軽量設計
(5)連続3時間/待受90時間(モバイル・テクニカ標準試験下にて)の低消費電力
(6)無線の暗号化(WEP64/128bit)に対応
(7)802.1x認証(PEAP、TTLS)に対応
(8)ファームウエアの更新が端末のみで可能

などを備えています。

また、「MobbyTalk」の次世代機となる「MobbyTalk253」の開発も進めています。(図2)


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図2:「MobbyTalk253」のソフトウエア構成図

(1)基本的に「MobbyTalk」のデザインを継承しつつ、
(2)画面が2インチ/65536色に性能アップ
(3)無線セキュリティの強化(WPA/WPA2対応)
(4)待受時間が180時間になるなど、

により高性能化/低消費電力化を進めたものとなります。

なお、xCubeは、オープンソースPBXの「Asterisk」を採用し、ルータ機能/VoIPゲートウエイ機能/PBX機能を1台に集約したアプライアンス・サーバです。

電話機として、

(1)「MobbyTalk」や「MobbyTalk253」に加え、
(2)サクサのIP電話機「IP NetPhone SX」、
(3)NTTドコモのFOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」、
(4)モバイル・テクニカのソフトフォン「MobbyTouch」

が対応しています。

次世代機である「MobbyTalk253」はxCube以外のIP PBX(SIPサーバ)と接続できるようにカスタマイズするサービスを開始していきます。


OSが起動時間や音質、ハンドオーバーの性能に大きく依存

この「MobbyTalk」および「MobbyTalk253」にウインドリバーのVxWorksが採用されました。

無線IP電話のキーポイントとして、

(1)低消費電力であること(待受時間が長いこと)
(2)キー反応が速いこと(さらに、起動時間が短いことやアプリケーションの起動も速いこと)
(3)高音質であること
(4)無線機能について、無線性能が良く、IEEE802.11iなどの機能が充実し、ハンドオーバーの性能が良いこと
(5)操作性が良いこと
(6)アプリケーションの拡張性があること

などが、あげられます。

これらのポイントのなかでも特に、

(1)起動時間(電源ON及びアプリケーション)
(2)高音質
(3)ハンドオーバーの性能
(4)パワーマネジメント

などがOSに大きく依存してきます。

「VxWorks以外としてオープンソースのOSも検討しましたが、起動時間が早くならなかったかり、音声パケットの遅延が出てしまうことから音質が改善されないなど、課題が残りました。VxWorksの採用に間違いはなかったと確信しています」(棚池氏)。

このように電話機の使い勝手に大きく影響する性能を実現するためにも、VxWorksが大きく貢献しています。


安定度とパフォーマンスのバランスが取れたOSとして評価

さらにVxWorksは、次世代機となる「MobbyTalk253」にも続けて採用されています。

「MobbyTalk253」は、CPUとしてフリースケール社のi.MX21を搭載し、さらにソフトDSPにGlobal IP Solutions社のVoiceEngineを採用することで高音質を実現しています。

VxWorksは、VxWorks 6.2を含んだPlatform CD製品が採用されました。VxWorks 6.2は、IPv6がサポートされているなどネットワーク機能がより強化されています。

松倉氏も、「VxWorksは、他のOSにはない長い歴史への信頼感があります。携帯電話のようにハングアップしたら駄目なシステムに採用するには最適なOSだと思います。さらに、VxWorksは、パワーマネジメントなどソフトウエアとハードウエアのローレイヤ部分での連携に関するパフォーマンスが良く、安定度とパフォーマンスのバランスも取れています」とVxWorksを高く評価しています。現在、IP電話機で100時間を超える待ち時間が求められるなか、パワーマネジメントの連携の良さから、次世代機では最終的に180時間まで延ばすことができたと言います。

ソフトDSPでの音声処理は、i.MX21のパフォーマンスを引き出すことで、携帯電話と比較にならないくらいの高音質を実現しています。この要因として、松倉氏はVxWorks自体の軽さをあげています。


多くのタスクのプライオリティをきめ細かくチューニングできる

起動時間についてもVxWorksの圧縮モードによって、プログラムをフラッシュメモリからSDRAMへ伸張しながら展開することによって、30秒以内という目標をクリアできたとのことです。また、多くのタスクのプライオリティをきめ細かくチューニングできることによって、たとえば、ハンドオーバー機能や消費電力の低減などをより図ることができたとのことです。

「こういった機能がVxWorksに備わっていたことで、大変助かりました」と、松倉氏もVxWorksの機能を高く評価しています。

さらに松倉氏は、開発環境についても同様の評価をしています。

「Platform CDは開発環境がWorkbenchになりますが、操作性に関してもとまどうことなくとてもフレンドリーな環境となっています。また、コンパイラのコンパチビリティが高い点も評価しています。開発のスタート時は少し心配したのですが、100%コンパチであり、従来資産をそのまま活かすことができています」(松倉氏)とのことです。

VxWorksは、「MobbyTalk」および「MobbyTalk253」の実現に欠かせない存在となっています。